現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
i).各種のFA の収集とガラス質の化学組成の決定 FAの組成は石炭の種類、燃焼方法、石炭の混合割合で変化し、その化学組成は多岐にわたる。この化学組成を蛍光X 線分析で定量した。さらに粉末X 線回折-リートベルト法で結晶質成分である石英とムライトの定量をおこない、ガラス質成分を決定した。ここで重要なことは、ガラス質成分のO/Si モル比、つまり化学成分のSiO2 量と全成分の酸素量のモル比がバランスよく得られているかの判断である。O/Si 比はガラス質の連鎖を大まかに見積もることができる。化学成分上異なっていてもガラス質としては同じような成分である場合もあるため、できるだけ多くのFA を入手する必要がある。電源開発社から7サンプルのFAを入手し結晶成分とガラス質成分の分析を完了した。なお、蛍光X 線分析と粉末X 線回折-リートベルト法は太平洋コンサルタント社への外注分析した。 ii).FA 混入モルタルの作製と圧縮強度の測定、FA ガラス質との相関関係の把握 上記i)で実験に供するFA が決定させた。その後、JIS5201 に準拠してモルタル供試体を作製した。FA の配合はセメント量の25%でセメントに置換した。水中養生180 日までの材令について強度測定を行なった。強度増進はセメントの水和とFA のポゾラン反応によるものであり、強度増進がどちらに起因するのかは、グラフ化することで容易に判断できる。これで得られたFA データから、FA のガラス質成分の化学組成に対して、x SiO2+y Al2O3+a CaO +b MgO +c Na2O+d K2O を横軸に、縦軸に強度を示し、その相関が一次関数の相関係数R が最も高い係数(x,y,a,b,c,d)を決定した。 という当初の目標に対して概ね実験や見当が終了している。
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