研究課題/領域番号 |
17K00613
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境モデリング・保全修復技術
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
洲崎 敏伸 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (00187692)
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研究分担者 |
吉村 知里 神戸大学, 環境保全推進センター, 助教 (60362761)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 放射性セシウム / 除染 / 原生生物 / 油滴 / 細胞内共生 / クロレラ / ミドリゾウリムシ |
研究成果の概要 |
共生クロレラを持つ原生動物ミドリゾウリムシは、土壌結合性セシウムを土壌から解離させ、細胞内の油滴顆粒に高濃度に蓄積することを見出した。この方法は、福島県における放射性セシウムによる汚染土壌の処理に有効であると考えられた。本研究では、以下を実施した。1)土壌懸濁液とミドリゾウリムシを混合した後に、ミドリゾウリムシのみを選択的に回収する方法を開発した。2)ミドリゾウリムシから油滴を単離し、そこに含まれるタンパク質組成を質量分析法により解析した。その結果、セシウム輸送に関与している可能のあるタンパク質を同定することができた。
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自由記述の分野 |
細胞生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
セシウムの除去法に関する技術は既に多数報告されているが、それらのほとんどは可溶性のセシウムを対象にしたものである。従って、汚染土壌の現場処理法としてミドリゾウリムシを用いた本法は有用性が高く、独創的である。他の生物と比較してミドリゾウリムシがバイオレメディエーションのための生物として優れている理由は、この生物が、細胞口から細胞内に運び込んだ土壌粒子を細胞内でpH 3程度にまで強く酸性化する能力を有している点にある。ミドリゾウリムシは、セシウム以外にも各種重金属を取り込むという報告もあるので、この技術は、セシウムに限らず様々な有害金属(あるいは有用な金属)の除去法もに発展する可能性がある。
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