淡水域に海水が浸入した場合の水質形成,生物量への影響を把握することを目標に研究を行った.淡水に近い汽水湖および感潮河川より底泥を採取し,人工海水を用いて,塩分濃度が海水と同等(等倍)~1/128倍となるように調整し,温度等を変更し海水侵入を模擬した溶出試験の再現試験を行ったところ,pH,溶存酸素濃度等には塩分濃度による差は見られなかったが,塩分濃度が高いほどアンモニア態窒素,リン酸態リンともに溶出量が大きくなるという結果が得られた.模擬実験の結果に基づき数値計算を行った結果,塩分濃度上昇後のプランクトン相等の変化と底層の貧酸素化にともなう栄養塩等の物質移行量の増加がみられることが確認できた.
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