研究課題/領域番号 |
17K00624
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
森長 久豊 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (20396584)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 架橋反応 / ネットワークポリマー |
研究実績の概要 |
昨年度に得られたエステル基を有する多官能エポキシ化合物を用いて、ネットワークポリマーの合成を試みた。ポリエチレンイミンやイミダゾールを架橋剤として用いることで、比較的高い収率で対応するポリマーが得られた。イミダゾールの系では単独架橋はしなかったので、市販のビスフェノールAジグリシジルエーテルとの共重合でネットワークポリマーを得ることができた。ポリエチレンイミン、イミダゾールを架橋剤として得たネットワークポリマーの耐熱性を評価した結果、 10%重量減少温度は250~300℃だった。バイオマスプラスチック度(ネットワークポリマーに含まれるバイオマス由来成分の質量の全質量に対する割合)は、30~35%だった。また、トランス体のリモネンオキシドに限定して合成した多官能エポキシ化合物の架橋反応においては、ポリマー収率および耐熱性が向上することを確認した。 一方、昨年度から行っていたアセタール基含有の多官能エポキシ化合物の合成は、最終的にエポキシ基を残存できないことから断念した。その代わり、リモネンオキシドを加水分解して得たリモネングリコールを用いてアセタール基含有の多官能ヒドロキシ化合物の合成を試みている。現在のところ、エステル基を有する多官能ヒドロキシ化合物の合成に成功しており、多価イソシアネートを架橋剤として加えることでネットワークポリマーを得ることができた。 次年度は、光酸発生剤を含有したネットワークポリマー(エステル基またはアセタール基含有)を用いて、その解架橋と再架橋を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
エステル基を有するネットワークポリマーの合成に成功しているが、もう一つの系であるアセタール基を有するネットワークポリマーの合成には至っていないためである。
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今後の研究の推進方策 |
光酸発生剤を含有したネットワークポリマーを用いて、その加水分解反応を行う。また、加水分解後のポリマーを用いて再度架橋できるかも試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた学会発表が震災のため中止となり、そのための旅費が次年度使用額として生じた。翌年度予定している研究費の使用用途は、ネットワークポリマーの酸加水分解反応と再架橋反応に必要な試薬の購入である。また、光照射器の購入も予定している。研究結果をまとめて学会発表も行う。
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