本研究では、生物濃縮の予測精度が低いペルフルオロアルキル酸化合物(PFAAs)を対象に、暴露実験、生化学実験、シミュレーションを行い、なぜPFAAsは濃縮しやすいのか、またどのような変数を用いると高精度に予測ができるかについて検討した。その結果、PFAAsは構造類似物質の脂肪酸等と比べてタンパクと強く結合し、また肝臓で代謝されないため体内に残留しやすいことが示された。さらに、タンパク結合定数を変数として用いることで多数のPFAAsの生物濃縮係数を高い精度で予測できることを示した。本研究の結果は、野生生物に対するPFAAsの暴露評価やリスク評価の精緻化に貢献すると考えられる。
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