研究課題/領域番号 |
17K00667
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
八木 健太郎 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (30352222)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 集落支援活動 / 民間企業 / 財団法人 |
研究実績の概要 |
過疎地域には、いわゆる限界集落と称され、常時居住する住民だけでは集落活動を維持することが困難な集落が多数存在している。一方、常時居住者だけに頼るのでなく、二地域居住など多様な生活形態をとる個人や、集落活動に積極的に関与する民間の組織の支援を受けながら、地域環境創生に取り組むコミュニティも出現している。本研究は、企業や公益財団等による集落支援活動が始まりつつある瀬戸内海の二つの離島を対象に、住まいや生活環境を継承していくための新しい主体形成の実践にともなう、現実的な課題や可能性を明らかにすることを目的としている。 研究の初年度にあたる平成29年度は、研究の第一段階への取り組みとして、民間企業や財団法人が集落支援活動を実施する上で、制度や規定上生じる制約や課題について、集落支援に取組む組織関係者へのヒアリングにもとづいて整理を進めた。民間企業や財団法人によって具体的に行われている集落支援活動の実態についても、現地や関係者への継続的な取材・調査を通して整理を進めている。 また、研究の第二段階にあたる、集落支援活動に民間企業や財団法人が参加することに対する受入地域の住民側の意識について、住民や関係者へのヒアリングにより明らかにし、双方の意識の違いも整理するという部分についても、可能な部分から調査と整理を開始している。 平成29年度中に、これらの調査・研究にもとづく成果を、国内学会における日本語による学術論文2編、国際学会における英語による学術論文2編、共著による書籍1冊の形で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
集落支援活動の課題や問題点の整理は順調に進んでいる。三原市、尾道市の両事例ともに、集落支援組織の形態に変化が見られることから、こうした影響もふまえつつ慎重に調査を進める。 集落支援組織の活動実態の把握と並行して、支援主体と住民との意識の違いについて、調査を進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
三原市については、今後集落支援活動を行っている財団とより緊密に連携しながら、情報の整理と活動内容の把握を進めていくこととしている。 尾道市についても、活動主体の組織形態の変化を慎重に把握しながら、連携して状況を分析していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
90万円に対して2404円の余剰金はほぼゼロに近く、ほぼ予定通りの執行である。 不必要な物品を購入するよりは来年度の経費と一緒に使うことが合理的であるため。
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