研究課題/領域番号 |
17K00672
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研究機関 | 東京経済大学 |
研究代表者 |
野田 浩二 東京経済大学, 経済学部, 教授 (30468821)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 水利権取引 / 地下水管理 / オーストラリア / 工業用水 / 包絡線分析 / マレー・ダーリング流域 |
研究実績の概要 |
本年度の研究実績は主に3点ある。第1は、わが国の工業用水道事業の生産性分析である。包絡線分析のなかのslack-based measurement(SBM)を採用し、さらに2期間の変化のみを対象とするMalmquist index(MI)だけでなく、最初期の生産性を全事業者すべて1としたうえでそれとMIを掛け合わせた累積指標のcumulative Malmquist index(CMI)、最初期の生産性を実際にSBMで推計した数値とCMIを掛け合わせた累積指標のadjusted Malmquist index(AMI)である。これらの指標を用いて、1999年度から2018年度の20年間、87事業者についての時系列変化を分析した。その結果、一部の事業者を除き、工業用水道事業の生産性はこの20年間で低下していることがわかった。この成果は『水資源・環境研究』への掲載が決定している。第2は、オーストラリアのマレー・ダーリング流域における地下水管理の実態についてである。マレー・ダーリング流域管理の改革は連邦政府主導により、従前の州政府にによる管理政策の近代化が図られている。ニュー・サウス・ウェールズ州とビクトリア州が当該地域の地下水利用の中心であるので、両州の水法の概要をまとめつつ、オーストラリア気象局データを用いて、地下水水利権市場の活用の現状と特徴を明らかにした。第3は、第1の研究成果と同じ研究手法を用いて、オーストラリアのマレー・ダーリング流域の各水域の水生産性を分析した。ここでの水生産性とは、水利権取引の売買を踏まえた農業生産性である。この成果は投稿し審査中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響によって、論文成果の取りまとめだけでなく、論文審査にも遅れがでている。とくに、オーストラリアのマレー・ダーリング流域の各水域の水生産性分析について、研究成果の確定に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
オーストラリアのマレー・ダーリング流域の各水域の水生産性分析の論文が現在審査中であり、この審査結果を待っている。もし現在投稿中の雑誌で不採用になった場合、早急に、別の雑誌に投稿し(その雑誌は確定済み)、研究成果の確定に務める。なお時間の都合上、当初計画していたアメリカの地下水管理制度については断念した。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究期間を延長したことに伴い、次年度使用額が若干生じた。これは物品費にあてる予定である。
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