小型のケース内に騒音計、360度カメラ、GPS、公衆回線通信装置およびこれらを制御する小型コンピュータとバッテリで構成する騒音測定端末および、騒音測定端末によるデータを受け取りデータベース上に蓄積し表示するサーバーシステムを作成した。 この騒音測定端末は、市街地の道路わきに設置され、定時毎に騒音、周辺状況を記録し、音情報は端末内においてFFT処理及び1/3オクターブ分析し、この結果をサーバーに送信する。また、録音データそのものは制御用小型コンピュータのSDカード内に蓄積し、後ほどオフラインで収集する。サーバーでは、測定データの位置情報、測定時刻等をインデックスとしてデータベースに登録し、PC端末のWebブラウザによりGoogleMapの地図上に騒音のレベルを色の変化として表示する。また測定地点を選択することで、時間帯ごとのレベル等を比較できるようにした。 本システムを用いて、山梨大学周辺及び甲府駅北口迄の幹線道路沿いの騒音状況の記録を行った。多地点の測定により、幹線道路沿いの交通量の多い地点と市街地の交通量の少ない地点では、騒音の周波数特性に大きな違いはないものの、レベルに差異が現れること、幹線道路沿いは交通の集中する時間帯前後では短時間でレベルの変化があらわれることなど、本システムによりレベルの時間帯毎の騒音変動などを視覚的に評価できた。また同地点を春先と夏に測定したデータを比べると、昆虫の声などの季節要因の評価もできることを確認した。
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