研究課題/領域番号 |
17K00688
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
稲澤 泉 立命館大学, 経済学部, 教授 (50752143)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 政策過程 / エネルギー政策 / 唱道連合フレームワーク |
研究実績の概要 |
本年度は,所属機関の変更がありこの環境に順応する期間が必要となったことから,当初の研究計画で予定していた日本国内における政策過程比較(2011年から2012年におけるエネルギー政策検討過程と2013年から2015年における揺り戻し過程との間の政策過程比較)のうち,2013年から2015年における部分につき集中して研究を実施.当初予定していた国内主要アクター宛のインタビュー調査の準備的調査として,2013年から2015年における主要アクターの信条,資源,戦略等につき,政府審議会宛提出資料,各アクターの公表資料及び審議会や報道等における議事録・発言内容から分析を行った.この分析の結果は,6月に開催された日本公共政策学会大会において企画セッションを主催して発表を行うとともに,コスト検証に係る政策過程部分については,7月に雑誌「環境と公害」に投稿し掲載(査読付)されるに至った.また,政策過程分析の枠組み(ACFやその他の主要政策過程分析の枠組み)に係る文献調査を進め,理論的分析枠組みの理解の精緻化に努めるとともに,自主的な政策過程分析に係る研究会を有志研究者との間で複数回開催し,加えて学会(環境経済・政策学会等)での研究者との間での意見交換も含めて研究手法の深化を図った,なお,政府は本年度より新たなエネルギー基本計画策定過程に入ったところ,主要アクターの信条,資源,戦略等の分析に資する参考情報として,2015年以降のエネルギー政策の動向に係る情報収集に努めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属機関が変更となったことから,講義準備等の新たな環境に順応する必要が発生.このため,本年度に予定されていたインタビュー調査を翌年度における実施に変更することとして,本年度においては,文献調査,情報収集,分析枠組み理論の理解につき深化・精緻化を主とした研究を実施した.
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今後の研究の推進方策 |
国内主要アクター宛のインタビュー調査を研究2年度目に組み込んでこれを実施し,2011年~2012年と2013年~2015年の日本のエネルギー政策過程の比較分析に本格的に取り組む.とりわけ,インタビュー候補たる主要アクターの選考を鋭意進めるとともに,並行してコーディング手法の習得に努め,衆参両院の議事録等を含む資料分析に取り組む.こうした国内での政策変化の促進・阻害要因の特定を進めつつ,欧州政策過程分析についても予定通り実施するべく準備を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の研究の中心をインタビュー調査から文献調査,情報収集に変更したため,インタビュー調査に係る(1)旅費及び(2)インタビュー先謝金の減少が主たる理由となり,実支出額が予定対比少額となった.次年度はインタビュー調査を繰り入れた研究を計画しており,次年度使用額の使用を予定する.
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