研究課題/領域番号 |
17K00690
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
阿部 新 山口大学, 国際総合科学部, 准教授 (30436745)
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研究分担者 |
布施 正暁 広島大学, 工学研究科, 准教授 (70415743)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 廃棄 / リユース / 中古車 / リサイクル / 中国 |
研究実績の概要 |
本研究は廃棄構造の発展経路に関し、主に日本、アメリカ、中国を比較する。対象はデータや記録が豊富な自動車である。2年度目の2018年度は中古車市場の発展に重点を置いた。1960年代を中心とした日本の中古車市場の発展経路については、既存の資料、記事等から整理をした。その結果、下取り競争により新車販売会社の経営がひっ迫し、1960年代半ばにその是正の方向に動いたこと、生産者など動脈産業が中古車を商品として認識し、中古車市場の健全化に動いたことなどがわかった。また、中古車登録台数等の統計整理を行い、その課題を提示しつつ、中古車市場が新車市場を上回る時期を特定した。一方、首都圏を事例に都県別の抹消登録台数(廃車台数)の時系列的な算出を試みた。算出に用いるデータによって車種の範囲が異なり、地域別の抹消登録台数の算出は難易度が高いことなどの課題が提示された。また、都県別の関連データが揃うのは最も古くて1983年であり、使用済自動車の発生のタイミングの地域差を明確に示すには十分ではないこともわかった。海外調査については、中国の自動車静脈市場を調査した。同国の自動車リサイクル市場、中古車市場について、先行研究を整理しつつ、日本の発展経路を踏まえ、中国の現状はどこに位置づけられるかを聞き取り調査により確認した。他の新興国・途上国についても二輪車から四輪車への転換が日本とは異なることを問題意識とし、そのデータを整理した。さらにカーシェア市場により保有構造が変わるかどうか、ハイブリッド車等次世代車の中古車輸出やリサイクルの動きは既存のものとは異なるかどうかを文献、データにより整理した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1960年代の日本の中古車市場の発展経路や関連統計の整理、地域別抹消登録台数の推計についておおむね順調に進めることができた。国際共同研究会、国際学会、関連業界の国際会議が2019年4月、5月になったため、その意味で遅れが生じたが、全体的には大きな影響はない。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度として、学術的、理論的な位置づけに焦点を当てて研究を進める。自動車の成果をもとに他物品との比較を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度中の開催を想定していた国際共同研究会、国際学会、関連業界の国際会議が2019年4月、5月になったため、その分の繰り越しを行った。2019年度に使用する予定である。
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