研究課題/領域番号 |
17K00697
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境政策・環境社会システム
|
研究機関 | 芝浦工業大学 (2018-2022) 慶應義塾大学 (2017) |
研究代表者 |
袖野 玲子 芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (70772565)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 水俣条約 / 水銀廃棄物 / 余剰水銀 / 有害廃棄物 / 長期管理 / 管理型最終処分場 / マテリアルフロー |
研究成果の概要 |
水俣条約の影響を受け、これまで輸出してきた回収水銀を廃棄物として国内で最終処分しなければならない事態となった際に、従来の処理体制では、水銀廃棄物の超長期の安定的な管理が確保されないおそれがあることから、本研究では水俣条約後の国際的な需給バランス予測を踏まえた余剰水銀の将来発生量の推移を試算し、最終処分体制の規模を明らかにした。また、最終処分場は,埋立終了後も適正な維持管理が必要であり,最終処分場設置者への調査結果から重回帰分析により,維持管理年数に影響を与える因子の解明を行った。さらに、国内外の最新の動向を踏まえ、水銀廃棄物の長期管理のためのレジリエントな処理体制に必要な要素を提示した。
|
自由記述の分野 |
環境政策
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本ではこれまで非鉄製錬業から非意図的に排出される水銀を回収し、精製して輸出してきたが、水俣条約の影響により水銀の需要が減少し、余剰となった水銀を廃棄物として国内で最終処分しなければならない事態が想定される。本研究により、余剰水銀の発生見通しが示されたことにより、国内1~2か所の処分場整備で対応できることが明らかになり、長期的な安全の確保のためには集中管理が望ましいとの政策の方向性を示すことができた。 また、国際的な余剰水銀の発生の見通しも示されたことで、特別な管理が必要となる水銀含有量の閾値設定に係る国際的な検討や、途上国における水銀廃棄物処理への国際的な協力の必要性について示すことができた。
|