研究課題/領域番号 |
17K00705
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研究機関 | 総合地球環境学研究所 |
研究代表者 |
増原 直樹 総合地球環境学研究所, 研究部, 上級研究員 (30597802)
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研究分担者 |
杉山 範子 名古屋大学, 環境学研究科, 特任准教授 (50509180)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 気候保護政策 / 自治体ネットワーク / 活動の多様性 / 組織統合 / アンケート調査 / SDGs |
研究実績の概要 |
1)平成29年度に特定した研究対象の自治体ネットワークについて、WEB情報を含めた文献調査及び年次大会等への参加といった手法を通じて、最新の活動状況を把握した。特記事項として国内では、環境自治体会議と環境首都創造自治体ネットワークの間で組織統合の検討が進み、政府主導の環境未来都市推進委員会は地方創生SDGs官民連携プラットフォームに衣替えされ、日本版・首長誓約は新たに設立された世界首長誓約/日本に統合されたなど大きな変化が観察された。 2)欧州では、エネルギー都市(Energy cities)の活動内容及びイクレイ(欧州)の重点活動について、追加的なデータを収集した。また、研究分担者が欧州の気候同盟の総会に参加し、気候同盟の参加自治体である、バルセロナ県とジローナ県(スペイン)、リヨン県(フランス)、ゲント市(ベルギー)において現地調査を実施した。 3)平成29年度から継続して整理したネットワークに関する基礎情報(会員数、活動状況、特徴的な活動内容等)に基づき、ネットワーク間で相互比較可能な会員自治体対象のアンケート調査を設計した。アンケート調査には、各ネットワークの会議や活動への参加状況、ネットワークに対する期待や要望、各ネットワーク事務局とのやりとりに関するデータ、会員自治体の担当者が気候保護政策に関してデータを得るソース等が含まれる。 4)得られた研究成果について、適宜、日本計画行政学会(9月)、環境情報科学ポスターセッション(12月、優秀ポスター賞受賞)、雑誌「環境法研究」(12月)などにおいて、学術報告及び公表を積極的に実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本においては、ネットワークの構成メンバー(会員自治体)を対象としたアンケート調査を設計・実施する予定のところ、設計のみ完了し、実施に至っていないため。具体的な理由としては、研究実績の概要に記載の通り、関係する自治体ネットワークの大半について、大きな組織変化があったため、アンケート調査実施に向けた調整が進展しなかった。
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今後の研究の推進方策 |
1)上記に記載した日本のネットワークの構成メンバー(会員自治体)を対象としたアンケート調査の実施を上半期に予定している。アンケート調査には、各ネットワークの会議や活動への参加状況、ネットワークに対する期待や要望、各ネットワーク事務局とのやりとりに関するデータ、会員自治体の担当者が気候保護政策に関してデータを得るソース等を含む。アンケート調査で捕捉できない事項については、補完的なヒアリング調査を企画・実施する。 2)全体の結果のとりまとめについては、日本のネットワーク構成メンバー(会員自治体)を対象としたアンケート調査結果及び欧州のネットワーク構成メンバー(サポート団体)を対象としたヒアリング調査結果を基に、各ネットワーク組織の財務分析に基づく類型化(事業委託型、寄付型等を想定)、各組織の事務局及び構成メンバー間での情報交換態様に基づく類型化(事務局中心型、メンバー間分散型などを想定)、各組織の活動に関す るパフォーマンス分析等の結果を総合する。あわせて、各組織が取組む気候保護政策について、促進要因の構造化・モデル化をおこなうとともに、日欧の自治体ネットワーク間での財務分析、情報交換分析、活動パフォーマンス分析結果から示唆される知見をとりまとめる。 4)日本国内の自治体ネットワーク関係者(ネットワーク事務局及び会員自治体)を招へいし、研究成果の共有と今後の活動に関する議論をおこなうための企画セッション(9月の環境科学会へ申請・採択済)を開催する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予算計上した物品費及び人件費・謝金が発生していない反面、学会・大会参加費等が想定以上に必要となり、差額分が次年度使用額となった。
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