研究課題/領域番号 |
17K00706
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研究機関 | 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター |
研究代表者 |
木村 健一郎 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 農村開発領域, 主任研究員 (20597900)
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研究分担者 |
徳岡 良則 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境変動研究センター, チーム長 (20442725)
山田 隆一 東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (70760883)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 非木材林産物 / 薬用植物 / 霊芝 / 竹 / データベース |
研究実績の概要 |
ラオス中部のビエンチャン県の中山間地帯にあるN村において、村人全世帯における非木材林産物の採集調査と農村経済調査を実施した。竹は、タケノコを食用に利用するほか、竹竿を住居の建材、生活資材などに利用していた。2012年と2017年を比較するとタケノコの利用量に変化はなかったが、竹棹の利用量は65%も減少していた。これは住居の建築資材が竹からコンクリートやブロックに変化したことによる。採集量が増加に転じた非木材林産物は、薬用植物と薬用きのこで顕著であった。2012年は販売利用されている薬用植物は3種類であったが、薬用植物の買取り価格の上昇が採集量の増加に繋がったと考えられる。また、2012年には採集されていなかった薬用きのこである霊芝が、新たに買い取られるようになった。村人は販売する薬用植物の種類・量を増やしたいと希望しているが、現在販売している薬用植物の栽培法はなく、天然の薬用植物を採取しているとのことである。非木材林産物の農地での栽培は難しいことから、今後、安定した収穫を行うためには、森林管理技術やアグロフォレストリーによる栽培方法を開発する必要がある。 ラオス政府の諮問機関であるサブセクターワーキンググループの森林分野ワーキンググループでは、2019年の会合においてこれまであまり注目されていなかった薬用植物、竹、ハチミツ、カルダモンは農村の生計向上に持続的に貢献すると提言をおこなった。そこで本研究の一環として、薬用NTFPsについてデータベース「Medical NTFPs in Laos」を作成し、Web公開した。本データベースはラオス語とし、薬用非木材林産物の名称、別称、学名、木本・草本、利用部位、効果、用法、写真とした。また、効果、用法については、現地で知られている効果、用法である。また、データベースはスマートホンで参照できるものとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の体調不良により、研究成果の発表と現地における引き渡しが遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
非木材林産物の利用の変化に関する論文を投稿し、現地行政機関への研究成果の引き渡しを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の体調不良により、データの取り纏めが遅れ、学会における発表また論文投稿が遅れたことによる。 繰越額は、資料データの保管費用、作成したデータベースの英文校正、学会発表、英文校閲、論文投稿費用に主に使う予定である。
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