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2020 年度 実績報告書

急速に経済発展するラオス農山村地域における非木材林産物の利用の変化

研究課題

研究課題/領域番号 17K00706
研究機関国立研究開発法人国際農林水産業研究センター

研究代表者

木村 健一郎  国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 農村開発領域, 主任研究員 (20597900)

研究分担者 徳岡 良則  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境変動研究センター, チーム長 (20442725)
山田 隆一  東京農業大学, 国際食料情報学部, 教授 (70760883)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード非木材林産物 / ホウキグサ / 里山 / 就労機会
研究実績の概要

最終年度は,ラオス中山間地域の農山村の社会経済の変化と非木材林産物採集を総合考察した。加えて,調査期間中に採集した農山村住民が森林から採集している野生動物についてもデータベース化し,資料として報告した。この結果90種類近い野生動物を食用としていることが明らかになり,野生動物は農山村住民の貴重なタンパク源となっていた。これらの成果はラオス林野局に報告を行った。
本研究の目的は,急速な経済発展が地方農山村の伝統的な生活に与えている変化を明らかにすることであった。ラオスの経済発展は周辺国の影響が強く,中国へのバナナ輸出を目的としたバナナ園が多数やゴム園などが多数開設されていた。就労機会が増えたことにより,調査対象村では農地面積が少ない農山村住民を中心に,近隣のバナナ園に労働者として働く住民が増加するなど,営農の形態に変化が見られた。村内の道路整備が行われたことで通作時間が短縮し,非木材林産物採集へのアクセスも容易になったが,非木材林産物の利用量は全体として減少していた。採集量が減少した非木材林産物の多くは自家消費であり,換金用の非木材林産物は微増していた。非木材林産物のホウキグサは,2012年は農閑期の重要な現金収入源であったが,2017年には大幅に収量が下がった。ホウキグサは依然として市場の需要はあるが,政府により土地利用の規制が強化されたことで焼畑休閑地が減少し,ホウキグサ自生地が減少したためであった。
社会経済の変化による人間活動は,植生の変化にも影響を与えていた。今後は,農閑期の現金収入が減った農山村住民の活動がどのように変化するかについても明らかにしていきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ラオス中山間地で食用される野生動物のデータベースの開発  ―ビエンチャン県N村の事例―2021

    • 著者名/発表者名
      木村健一郎,羽佐田勝美,ザヤラス シンコン
    • 雑誌名

      開発学研究

      巻: 受理 ページ: 受理

    • 査読あり
  • [雑誌論文] PWAを活用したラオスの薬用非木材林産物の情報発信2021

    • 著者名/発表者名
      木村健一郎,ザヤラス シンコン,進藤惣治
    • 雑誌名

      農業土木学会誌

      巻: 89 ページ: 31-34

    • 査読あり
  • [学会発表] ラオス中山間地で採集利用される野生動物の目録 と保全2020

    • 著者名/発表者名
      木村健一郎,羽佐田勝美,ザヤラス シンコン
    • 学会等名
      日本国際地域開発学会 2020 年度秋季大会

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公開日: 2021-12-27  

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