研究課題
日本のグッドデザイン賞は、日本における総合的なデザイン表彰制度である。1957 年に通商産業省(現経済産業省) によって創設され、公益財団法人日本デザイン振興会が主催・運営している。これまで、60年以上の歴史のもとに、現在も継続して実施している。これは、実製品のデザインを対象としたアワードシステムの中でも古いものでもある。例えばドイツのiF Design Awardは、1953から開始されていたり、Red Dot Design Awardは1954年からと、これら3つはほぼ同時期に開始されたものである。これ以外のデザイン賞は、概ね1960年代前後に開始されたものと、1990年代以降に開始されたもの2つに大別できる。現在はそれぞれの賞で数千から数万の応募があり毎年のように受賞作品が出ている。本論では、デザイン賞の申請カテゴリーの変遷からデザインがどのように変化しているかを概観したものである。その結果、63年の歴史を誇る日本のグッドデザイン賞は、13の年代があり、26の申請カテゴリーが存在することがわかった。そのデータを年代ごとのカテゴリーの分類概念の類似性で分析を行った結果、3つのグループに分けることができた。さらに、同様の26の申請カテゴリーで、中国のレッドスターデザイン賞の申請カテゴリーの編成を分析した結果、これまでに2つの申請カテゴリーの年代があり、これらは全て日本の2008年以降の申請カテゴリーの分類に似ていることやがわかった。さらにこの2つの国のデザイン賞を概観することで、今後のデザインのカテゴリーは、ソフト・サービス・デザインとハード・パブリック・システムとの間でのカテゴリーのトレードが常に起こっていくのではないかとの結論に至った。
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Journal of the Science of Design
巻: 未定 ページ: 未定
巻: Vol. 3 No. 1 ページ: 77-86