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2019 年度 実績報告書

自治体と市民が協働する「地域映画」の活用と発信のための実践的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K00713
研究機関東京藝術大学

研究代表者

三好 大輔  東京藝術大学, 大学院美術研究科, 大学院専門研究員 (70648443)

研究分担者 須永 剛司  公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 特任教授 (00245979)
川嶋 稔夫  公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (20152952)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード社会的デザイン / 8mmフィルム / 映画 / 地域づくり / アーカイブ / 復元 / 市民参加 / 昭和の暮らし
研究実績の概要

高度経済成長と共に大衆に広まった8mmホームムービーは、日々の暮らしを生活者の目線で捉えている。一般人が記録した映像であるが故に保存の対象とされてこなかったが、撮影から数十年の時を経て、その文化的価値が認められるようになってきている。例えば、メディアが記録する祭りの記録は、式次第に則って段取りよく無駄を排した構成で記録される。一方、ホームムービーが記録するのは、本殿に行き着くまでの屋台の様子や一緒に行った子どもたちの様子など、撮影者の身の回りの人が被写体となることが多い。生活者の視点が捉えた文化風俗はメディアの記録とは明らかに違うリアリティを持ち、その民俗学的が高まっている。また、ホームムービーには基本的に複製が存在しないため、保存されなかった場合に他に代替えするものが存在しない。希少性の観点からも、その価値が再認識されているが、ホームムービーを保存する仕組みは、国内にわずかに存在するだけである。その活動は図書館の古写真収集の延長程度で十分なものとは言えない。
本来であれば、国立映画アーカイブが行うような網羅的な収集と調査を目標とすべきところではあるが、まずはそこに暮らす市民が自らの土地で掘り起こされる映像を自ら楽しみ、味わう機会をつくることが重要と考えた。8mmフィルムを収集してつくる市民参加型の映画づくりを「地域映画」と名付け、地域社会の中で映画づくりを行った。そこで見えてきたものはフィルムに刻まれた街並みや人々の営みの価値と同等に、今を生きる人々が映画づくりに参加し、新たな地域社会を自らが築くことが可能である、と気づくことができる価値である。地域コミュニティの崩壊が全国的な社会課題となっている今、地域映画づくりによる社会的デザインの構築は急務である。本研究は、実践の中から社会的デザインのカタチを提案するものである。

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公開日: 2021-01-27  

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