本研究の目的は,筆者が開発した協創スケッチ法(クルクルスケッチ,とも呼ぶ)を,デジタル情報機器で実施するための利点と課題点を明らかにすることである.協創スケッチ法とは,紙とペンを用いたスケッチによって多人数で創造過程を表現し合うことで協創を実現する手法である. デジタル情報機器で実施するための利点と課題点を明らかにするためには,協創スケッチ法による協創の過程を理解することが重要だと考えた.そこで,協創スケッチ法を用いたワークショップを観察対象にして,参加者らが表現したスケッチと映像記録を組み合わせて分析を行ない,スケッチを介した協創の過程で発生した現象(協創現象)を定義することができた.
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