研究課題/領域番号 |
17K00723
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研究機関 | 高崎経済大学 |
研究代表者 |
黒川 基裕 高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (30363774)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 産業デザイン / 商品企画 / 製品開発 / 東南アジア / クリエイティブ産業 / ローカライズ / デザイン管理 / 産業人材 |
研究実績の概要 |
本研究は、日本の製品・サービスが海外展開する際、現地市場への適応のためにどのようなローカライズが要求されるのかを検討しようとするものである。特に嗜好の特殊性が強い新興国への展開においては、法令、慣習、宗教、気候条件などを考慮して、デザインのローカライズが不可欠であると考えられている。 しかしながら、どの項目をどの程度変容させるべきかという点でのコンセンサスは得られておらず、各社とも新製品を投入する度に大きなコストが生じている。 このような状況を踏まえて、本研究では市場拡大のポテンシャルが高く、既に日系企業の進出が盛んな東南アジアをフィールドとし、既進出企業の経験蓄積を体系化するとともに、各国の消費者ニーズにどの程度の相違があるのかを顕在化させることで、需給両側面からローカライズ業務のマニュアル化を試みる。 本研究のアプローチは、二つに別れる。一つは経験蓄積の体系化の解析で、もう一方は消費者ニーズの相違点の解析となる。消費者ニーズ の相違点に関しては、昨年度までのミャンマー、ラオス、ベトナムの大学で消費差行動アンケート調査、フォーカス・グループ・インタビュー(FGI)の結果を分析すると同時に、新たにタイ、インドネシアをフィールドとして追加し、バンコックおよびジャカルタにある大学での消費者行動分析のアンケート調査を推進した。同調査を通じて、現地での関係構築を強化し、今後のFGI調査の実施に向けての準備も進めることができた。また、ローカライズの事例収集を東南アジア全域を対象にさらに進め、体系化のための素材収集を推進した。 その他、研究室で推進しているBOPプロダクトの商品企画・開発研究において、ミャンマーで現在進行中の無煙クッキングストーブの案件において、プロジェクトサイトで展開した独自の商品企画・開発方法におけるローカライズの推進について考察したものを研究成果としてまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでのベトナム、ミャンマー、ラオスに続いて、タイ、インドネシアをフィールドとして追加することができた。また、ローカライズの事例についても収集が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の最終年度にあたるため、5カ国での消費者行動の調査結果の比較分析を完了させる。ローカライズ事例については、マニュアル化のための分析方法を確立し、実務領域で活用可能な研究成果を目指していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
資料購入費などが計画より低減されたため、変更が生じた。次年度は、研究成果作成のための費用が増加するため、書籍購入、印刷費などに活用したい。
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