研究課題/領域番号 |
17K00725
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研究機関 | 甲南女子大学 |
研究代表者 |
高尾 俊介 甲南女子大学, 文学部, 講師 (40597887)
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研究分担者 |
蛭田 直 信州大学, 学術研究院教育学系, 助教 (80548230)
馬場 始三 倉敷芸術科学大学, 芸術学部, 教授 (60243359)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 情報デザイン / アーカイブ / コンテンツ / コミュニケーション / 工芸 |
研究実績の概要 |
2019年度は次の4項目について研究を行った.1. デザイン学会での口頭発表2件,2. 図案アーカイブの銀線部抽出,閲覧用画像の生成,3. 図案閲覧用アプリケーションの開発,4. 七宝職人への聞き取り調査. 1. デザイン学会での口頭発表としてこれまでの研究内容を基に2件の発表を行った.一つは七宝図案のデジタル化に関連した,有線七宝銀線部の抽出方法とそれに伴って開発した自動撮影システムをまとめたものである.もう一つは,閲覧用アプリケーションに必要な図案の画像データベースのための情報整理と,システム開発の詳細をまとめたものである. 2. 図案閲覧用アプリケーションで必要となる,約350枚の個別図案の銀線部抽出,閲覧用画像の生成では,2つの異なる光源で撮影した図案の画像を合成することで銀塗料描画部分を抽出する手法をAdobe Photoshopで自動化し,銀線部抽出を行った. 3. 七宝製品の製作に従事する図案師を含む七宝職人が,PCやタブレットで閲覧することを想定した,図案閲覧アプリケーションのプロトタイプを開発した.アプリケーションでは大量の図案を一覧できる他,選択した個別の図案の細部や銀線部分,七宝図案を閲覧、活用するために必要となる付帯情報を確認することができる.また,七宝職人がアプリケーションを通じてメタ情報を追加することにより,感性にもとづいた七宝図案の検索を可能にした. 4. 2で開発したプロトタイプをもとに,七宝職人へ図案閲覧用アプリケーションの利用に関する聞き取り調査を行った.株式会社安藤七宝店に所属する,担当業務の異なる9名の職人へヒアリングを行い,閲覧アプリケーションを実際に体験してもらいながら,想定されるユースケースや抽出した銀線部分の活用方法などの意見を洗い出した.
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