研究課題
デザインは「きもち」を「かたち」へと具現化する特殊能力を要求される精神活動である.本研究提案提案者はこれまで,独自に提案したデザイン幾何学と複合現実感(AR)技術を応用し,デザイナの「きもち」を「かたち」へ表現するための計算機支援環境の構築を行ってきた.本研究はこれらの研究成果をベースに,新たにディープラーニング(深層学習)技術を用いてデザイナごとの「個性に寄り添う」デザイン支援システムを構築したものである.多くの工業製品が成熟化した現在,工業デザインにおける造形デザインの重要性はますます高まっている.しかし,計算機支援設計(CAD)が前提である生産システムでは,デザイナが製品コンセプトと印象に基づいて描く造形デザインは一旦CADシステム向けにパラメタ化されるが,この過程で造形デザインの印象,造形デザイナが描いた印象をそのまま工業製品として意匠化し生産できている例は少ない.本研究者らはこれまでにデザイン曲線の作風ごとの微分幾何学的特徴を抽出することに成功し,この特徴量を利用した感性的曲線ドローイングツールを開発し,またこれらの知見をデザイン幾何学としてまとめ,デザイナに高く評価されている.また現在普及しつつある3Dプリンタ技術と複合現実感技術を融合させ,デザイン印象を動的に変化させ,かつその変化を3次元計算機支援設計(CAD)システムへとフィードバックするシステムの開発にも成功している.本研究は従来全てのデザイン行為をデザイナに委ねていたのに対し,デザインのうちデザイナに固有のパタンが認められる部分についてはディープラーニング(深層学習)技術を用いてパタンを抜き出し,そのパタンの再利用をデザイナに提案することで,デザイン行為をより強力に支援するシステムを構築するものである.
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Proc. Human Computer Interaction International, Lecture on Computer Science, Springer
巻: 2020 ページ: In print.
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