本研究課題は複雑な装飾文様をアルゴリズム化してデザイン設計支援に応用することを目的としたもので、特にここでは日本の伝統工芸に見られる装飾に着目した。具体的には切子や組子に見られる幾何学的な文様を取り上げ、これらの文様の再現技法として、CG分野で主に植物の成長シミュレーションに用いられるL-systemという技法を用いることとした。結果として、L-systemの簡潔なルールの記述で伝統的に正確な文様を再現することに成功し、さらに文様の生成過程も動的に表現できることが確認された。最終的に得られた成果を応用して審美的なアート作品を制作し様々な分野への展開の可能性を探った。
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