研究課題/領域番号 |
17K00740
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
望月 茂徳 立命館大学, 映像学部, 准教授 (00454504)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | インタラクティブメディア / 障害者 / インクルーシブデザイン |
研究実績の概要 |
令和2年度においては、過年度に引き続き、インクルーシブ・デザインの領域において、福祉の現場におけるインタラクティブでインクルーシブなデジタルメディア・デザインについて国内外の障害者支援NPO法人および豪州RMIT大学と共同開発と調査を行う予定としていたが、新型コロナウィルス感染症拡大に伴って往来が困難になった状況を受け、オンラインネットワーク機能を持ち合わせたインタラクティブメディアシステムの要件定義やプロトタイプ案について議論を行った。オンラインネットワークを用いた障害者芸術支援の新しい取り組みの要件設定を行い、フィールドリサーチとして豪日共同オンラインパフォーマンスを実施することとし、このパフォーマンスを制作、実施する過程において課題点などを発見していくこととした。障害のある人々における創造的な活動への参加をどのように促進するためのインタラクティブメディア技術としては、RMIT大学がこれまでリハビリテーションや障害のある人々の映像・音楽ツールとして開発していたデバイスをもとに改良し、日本側の音声とオーストラリア側の音声にリアルタイムに連動し、映像へと変換するシステム構築を行うことで、オンラインでの共同作業を可視化することとした。このオンラインパフォーマンスは、NPO法人スローレーベルが主催するオンラインイベントSLOW MOVEMENT Showcase & Forum Vol. 5によって国内外に発信されると同時に、トークセッションを実施することで当事者および支援者からのヒアリングやインタビューを行うことができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和元年度までの本件研究の進捗においては、継続的な研究成果を基盤としながら、社会において実務的な問題に取り組んでいる団体へのフィールドワークを継続できていることと、国際的な取り組みとの比較や共同研究への足がかりを得ることができていた。令和2年度はこれを基盤とする予定であったが、新型コロナウィルス感染症拡大によって生活や業務形態における生活様式や行動の変容がもたらされたため、一時の中断やフィールドワークや共同研究のあり方について方向転換を余儀なくされた。しかしながら、オンラインを活用したフィールドワークや共同研究として再開し、オンラインネットワークを用いた障害者芸術支援への試行も行うことができたため、再び順調に進捗しはじめたといえる。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年度における取り組みについてRMIT大学と共同で論文化について取り組むことを検討し、現在RMIT大学Jonathan Duckworth准教授と議論中である。実施したオンラインイベント視聴者からもアンケート結果が寄せられているため、集計の上、論文に組み込んでいくことを検討する。この論文化については、RMIT大学とはオンライン会議を用いて進めていくこととする。さらには、記録映像や出演者へのインタビュー動画の撮影と編集を計画中である。 また、これまで行ってきたインタラクティブメディア開発において、今後はオンライン形態での展開も可能にするため、特定のセンサーや筐体デザインによるインタラクティブデバイス開発ではなく、汎用的なスマートフォンやタブレットなどに標準的に備わっているセンサーやタッチパネルなどでも駆動するシステムやアプリケーション開発についてあらためて検討を行うこととする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の拡大により、生活や業務形態における生活様式や行動の変容がもたらされたため、一時の中断やフィールドワークや共同研究のあり方について方向転換を余儀なくされたため、次年度使用額が生じた。 今後は、オンラインを活用したフィールドワークや共同研究として再開していく計画である。
|