研究課題/領域番号 |
17K00745
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研究機関 | 兵庫県立工業技術センター |
研究代表者 |
平田 一郎 兵庫県立工業技術センター, その他部局等, 主任研究員 (80470243)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 把持姿勢 / デジタルヒューマン / モーションコントローラ |
研究実績の概要 |
兵庫県内の企業が開発した利器工匠具の把持シミュレーションについて検討した.シミュレーションツールとして,産業技術総合研究所が開発した人体機能モデル(Dhaib aWorks)を用いた.製品の把持姿勢を計測する方法として,小型モーションセンサ(Leap Motionコントローラ,以降Leap)を用いた.Leapによる姿勢生成は「カメラのセッティング」や「対象物へのマーカー張り付け」の必要がなく手軽に把持姿勢が計測可能である.その反面,「計測精度が低い箇所がある」「Leapと手の距離の違いにより計測精度が変わる」等の問題があった.そこで,Leapよりも計測精度の高いモーションキャプチャ(OptiTrack、VENUS3D)で把持姿勢を計測し,計測時の姿勢データを参考にしながらLeapによる計測で最適な距離や角度について検証した.具体的には,モーションキャプチャと同等の姿勢計測が可能な「Leapと手との距離」「Leapと手の角度」について検討した. Leapによる表示角度について,基準面から130°回転させることにより把持姿勢が画面で確認しやすくなることがわかった.上記の検討結果をもとに,把持姿勢の再現性を高くするためのDhaibaWorksプラグインを作成した.作成したプラグインにより,最適な距離と角度に手を置いた際にハンドモデルが表示されるよう調整しているため,使用者は感覚的に最適な場所に手を移動して把持姿勢を計測することが可能となった. さらに、生成した把持姿勢から「製品の手との接触領域」「接触重心」「把握クオリティ(力の凸包とトルクの凸包)」を算出して製品比較する方法についても検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では来年以降に予定していた製品の把持シミュレーションについて,今年度に前倒しして実施することができた. 把持シミュレーションの方法は,計画ではモーションキャプチャを使用することを予定していたが,モーションキャプチャよりも簡易に計測できるモーションコントローラ(Leap Motionコントローラ)を用いた計測方法を提案することができた.この方法を用いて把持姿勢を計測することにより,モーションキャプチャによる把持姿勢計測よりも被験者への負担を少なくなることが期待できる.
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今後の研究の推進方策 |
モーションコントローラを用いて把持姿勢を簡易に計測できるようになったため,今後は把持時に手先にかかる圧力分布を計測し,圧力情報を用いた筋活動シミュレーションを行う予定である.また,把持シミュレーションに使用したDhaiba Worksを活用し,多様な手サイズに対応した把持シミュレーションを行う方法についても検討する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度に来年度実施予定の研究を行ったため,今年度に執行予定していた委託費を来年度に使用することとなったため.
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