研究課題/領域番号 |
17K00752
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉田 哲 京都大学, 工学研究科, 准教授 (10293888)
|
研究分担者 |
岩田 伸一郎 日本大学, 生産工学部, 教授 (30314230)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 高齢者 / 越境まちづくり / ボランティア / 公共施設等総合管理計画 / 介護予防・日常生活総合支援事業 / 日常生活支援 |
研究実績の概要 |
居住する地元小学校区外の他地域でのまちづくり活動に複数参加する高齢者は50-59歳/65-69歳で、参加時間数/2時間以上3時間未満/不定で活動を開始し、月1回以上2回未満等で参加頻度が少ない、もしくは参加曜日や時間帯に不定で自身の予定に合わせ、0-9分、10-19分等の短い移動時間の活動で数を増やす、現在年齢70-74歳で、男性で、経年で自治会等の役員をする人であることを明らかにした。逆に活動が1つに留まるのは福祉系活動をする女性であることが多いことを明らかにした。 他地域のまちづくり活動に精力的に参加する1高齢者の4年間785件の活動では、活動主催団体は当初自身所属の有志任意団体等から行政関係団体主催が多くなり、活動へ個人・1人で(4割超)、所属団体から本人のみ・1人で(1割弱)で参加していることを明らかにした。また当初行政施設等の利用から指定管理施設、商店街等へと活動の場を広げ、高齢者の居場所づくり等で開くイベントの当日運営、メンバー内の打合せの作業に、平日、午後、平均2.6時間程度の活動をしていることも明らかにした。 日常生活支援総合事業の事業方針の調査から、286市区を2段階クラスター分析により5群を得た。分類の最大要因は担い手としてボランティアの活用方針であることを明らかにした。この類型化には総人口、老人デイサービスセンターまでの距離、住民ボランティア活動に対する地域状況、各団体の望ましいサービス圏域との関係が大きいことも明らかにした。 住民任意団体の高齢者居場所づくりと子ども食堂の活動による市区施設の利用における想定施設数、サービス対象者の居住地条件、活動参加者の居住地条件」の調査から、308市区を2段階クラスター分析により8群を得た。この類型化には小中学生人口、地方税、75歳以上高齢者率、他市区町村からの通勤者数、老人福祉施設数との関係が大きいことも明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究2年度末の3月に調査を打診して了解を得ていた相手先から最終年度9-10月、調査実施の最終調整段階で断られた。このためこの時点から改めて調査依頼先を探して11月末に調査開始となった。この後、年末年始を挟んだこともあり調査票の回収が大幅に遅れたため、回収数を増やすよう研究代表者が調査先へ2月末まで依頼を繰り返した。また、調査票への回答漏れについて3月中旬以降、調査票記入の連絡先へ個別の電話により回答の確認を始めているが、4月以降、緊急事態宣言により、回答者に直接の面会ができていない。緊急事態宣言終了後落ち着いてからでないとこの面会を再開できないと考えている。以上の理由より研究の進捗が当初予定より遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
2019年度に調査票の回収まで完了した作業に続けて、回答者の記入事項を個別に面会などで確認していく作業をまずは進めたいが、緊急事態宣言が延長され、宣言終了が6月もしくは7月以降などにずれ込む可能性が高く、このため、この回答確認について回答者と直接の面会開始の遅れもしくは面会に了解を得られないことも見込まれ、これを危惧している。これを十分に進めることができればそれ以降分析にあたり、分析を完了したい。 この研究では、京都市内の各小学校区内の社会福祉協議会の代表者が、学区内での高齢者の日常生活支援活動にあたる団体を、学区外から受入れるか否かについて問うたものであり、現状についての調査というよりは、今はない新しく生じる状況を想定しての各代表の意向を尋ねるものである。このため、回答内容の確認を十分にとることが重要であり、この点、待てるだけの時間を待ち、回答者との直接の面会について十分な時間を取りたいと考えているが、緊急事態宣言の終了時期や、通常の調査面会が適う時期が来るのかについて大いに危惧している。 また2018年度の調査については日本建築学会計画系論文などへの2本の新規論文として投稿し、審査を年度内に完了の予定で作業を進めており、これは完了すると考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究2年度末の3月に調査を打診して了解を得ていた相手先から最終年度9-10月、調査実施の最終調整段階で断られた。このためこの時点から改めて調査依頼先を探して11月末に調査開始となった。この後、年末年始を挟んだこともあり調査票の回収が大幅に遅れたため、回収数を増やすよう研究代表者が調査先へ2月末まで依頼を繰り返した。また、調査票への回答漏れについて3月以降、調査票記入の連絡先へ個別の電話により、回答の確認を始めたが、年度の変わり目の時期でもあったため、これも十分に進まなかったため次年度使用が生じた。今年度は、調査票の回答内容を回答者に直接面会して確認することから始めるように考えているが、これにより発生する交通費や、回答内容のデータコーディング謝金、また、論文集への論文掲載料などに今年度の経費使用を予定している。
|