研究課題/領域番号 |
17K00753
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
上田 悦子 鳥取大学, 医学部, 講師 (40335526)
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研究分担者 |
大塚 譲 戸板女子短期大学, その他部局等, 教授 (20135833)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 遺伝教育 / 生活科学 |
研究実績の概要 |
「遺伝子」を利用した技術は今や我々の生活のあらゆる場面で切り離せないものとなっている。食生活を豊かにするバイオテクノロジー技術や食の安全を守るための遺伝子検査の他、医療分野では遺伝病の診断や母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT)、さらに民間企業による個人を対象とした遺伝子検査サービスも行われており、それに対応して我々の生活の中に「遺伝」に関する課題も広がりつつある。現在、遺伝の内容を生徒自身の生活の課題として学校教育で取り扱う機会は少なく、生じた遺伝の課題と生活者がどう向き合えばよいか生活科学として授業で扱うためには様々な課題がある。本研究では「家庭科」の食生活や人生設計さらに家族・家庭等の幅広い領域の様々な場面を使って生活の中の「遺伝」の内容を扱う学習プログラムを検討した。 29年度は、遺伝子や遺伝を身近に感じることのできる家庭科教材の開発を行った。食生活分野で扱うことが可能な項目として、表示偽造の問題や食の安全を守るための遺伝子を利用する技術として、コメの品種を判別できる遺伝子検査を教材案の一つとして取り上げた。市販の試薬キットを使用して予備実験を行い、夏休みの高校生向けのセミナー(約20名参加)でその実験データ等を提供し、教材としての有効性を検討した。多くの高校生が遺伝子に興味を持っており、その実験を体験してみたいと考えていた。 また、ヒトの遺伝を取り扱うための新たな教材開発を検討している。自分や家族のつながりや遺伝情報、今後の食生活・生活習慣を考えるための視聴覚教材を開発中である。作成にあたっては本学の臨床遺伝の専門家の助言を受けて作業を進めている。研究遂行に関して了解の得られた家庭科教員にモニター授業を依頼し、共同で授業計画や評価のための調査票を作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
複数の教材を計画し開発中である。今後、学校教育の現場でモニター授業を行い、それらを評価するアンケート調査と分析を通して教材の有効性を検討していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き教材を開発する。実習教材の候補として29年度に開発したコメの遺伝子検査のほか、食肉(豚肉)の品質に関する遺伝子検査の教材化を進める。これらは、高校の授業で実施できるように50分の学習内容にまとめ、実際に家庭科目の中でパイロット授業として実施できるよう計画する。29年度に開発した教材と合わせ、食の安全と関連付けて食生活領域の学習として実施したい。授業後に教材の有効性や授業内容の評価をアンケート調査として行いそれらの分析を通して有効性の検証を行う。評価は自己記入式質問調査票への記入にて行う。教員用調査項目は、実施授業の属性、教材教具の有効性、授業への効果の有無、授業目標に関する生徒の変容等である。生徒用調査項目は、教材の難易度、授業への興味や理解度、授業前後における意識の変化等を含む内容である。 また、ヒトの遺伝を扱う授業についても同様にパイロット授業を実施し、授業の評価を行う。指導する家庭科教員は遺伝リテラシに関する知識への不安を抱えており、授業実施前にはその不安を軽減するために、本学の臨床遺伝の専門家によるヒトの遺伝に関する研修を計画したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
モニター授業を計画した高校の授業計画の都合で、29年度内に予定したクラスで授業が実施できなかったためアンケート調査ができず、その評価と集計に関する作業が来年度へ繰り越された。
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