研究課題
本研究では高校家庭科において、通常は理科など他教科で学ぶ遺伝の話題や知識を、家庭での生活に関連付け実践として生かすべくその方策を検討している。高校の家庭科教員と連携して教材の開発を行い、その開発教材を使用して家庭科の複数科目において活用できるよう教育内容を検討してモニター授業を計画し、その授業分析を通して今後の家庭生活に生かせることができる新しい学習プログラムの確立を目指している。R1年度までに、食生活を中心として扱う科目や必修の「家庭基礎」で、遺伝子を扱う教材開発を試みた。新型コロナウイルス感染拡大に伴い学校現場との連携に苦労したが、最終年度には感染予防対策を取りつつ複数回の授業実践ができた。授業の評価方法として授業前後に生徒へのアンケートを実施し、回収してその分析を行った。また、授業実践した教員へもアンケートを依頼した。「食の安全」をテーマとした実験授業では、遺伝子組み換え食品や新たに導入されることになったゲノム編集の作物にも触れたところ、多くの生徒が食品の遺伝子に関するイメージを新たにしていた。また糖尿病などの生活習慣病予防の観点でヒトの遺伝情報を生徒自身の今後の生活に生かそうとする意欲を高めることを目的に視聴覚教材の作成を試み、その教材を使う授業を計画した。教材開発にあたっては本学の臨床遺伝の専門家の助言を受けて作業を進めた。「家庭基礎」科目において食生活領域のまとめ学習として位置づける授業を立案し、家庭科教員にモニター授業を依頼し、複数のクラスで実施できた。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)
BMJ Open Diabetes Research & Care
巻: - ページ: -
10.1136/bmjdrc-2019-001149
Biochemie
巻: 179 ページ: 69-76
10.1016/j.biochi.2020.09.010