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2021 年度 実施状況報告書

育児と仕事を両立する保育士の母親としての葛藤調整とキャリア形成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K00754
研究機関岡山大学

研究代表者

片山 美香  岡山大学, 教育学域, 教授 (00320052)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード保育者 / 妊娠期 / 保育 / インタビュー調査 / 質的分析
研究実績の概要

コロナの影響が予想以上に長期化したため、現職保育者に対してインタビュー調査を依頼しにくい状況が続いた。対面でのインタビュー調査を予定していたが、オンライン形式に切り替えてインタビュー調査を行っているところである。
現在、妊娠から出産に至った保育者の語りを文字に起こし、少数事例を元に質的分析を進めているところであるが、現時点では以下のようなことが明らかになりつつある。
妊娠当初から園との関係が良好な保育者の場合、早期からバース・プランを綿密に練っていることが分かった。妊娠・出産を希望する場合、積極的に先輩保育者から必要な情報を収集する等して、担当する職務を全うできるよう、最大限考慮しようとする姿勢が認められた。妊娠・出産は不確定要素が多いながらも、職務への責任ある意思を表明することが園長や同僚からの理解や協力の得られやすい要因に成り得ると考えられた一方で、悪阻や安定しない体調があっても出来るだけ自己内に止め、通常通りの業務に取り組む努力を重ねていることが示された。
令和4年4月から保険適用となった不妊治療であるが、一人担任である保育者は受診日が平日の指定された日時を余儀なくされるため受療出来にくいのだが、コロナ禍により幼稚園では登園自粛期間が生じたことで治療を受ける機会を得ることが出来たとの意見もあった。保育業務の福利厚生面に関する質保障に課題があることが改めて確認された。保育着の特徴もあるようで、子どもや保護者から妊娠に気付かれることはあまり多くないようであったが、保育者側から伝える際には、行事等の兼ね合いを考慮し、出来るだけ動揺を与えなくて済むようなタイミングを選んでいることも示された。
以上、データ収集、分析共に途中経過ではあるが、保育職においては妊娠期も引き続き、通常勤務を継続する努力が成されていることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

コロナ禍が予想以上に長期間となり、現場の疲弊感が多大である。そんな中、コロナ対策に関連しないテーマでの研究依頼を控えるしかない状況であったため、研究推進が遅れている状況である。
ようやく、様々なコロナ関連の規制が緩和される兆しが見えてきて、調査を再開し始めている。
今後は、コロナ禍で苦慮されている保育者の方々に負担をかけすぎないよう考慮しつつ、当初の研究内容を簡素化できるよう調査方法及び内容の見直しを図り、オンライン調査等を活用して研究を推進する予定である。

今後の研究の推進方策

今年度は妊娠期にある保育者への少数事例であるがインタビュー調査の実施、及びオンラインでの妊娠・出産経験のある保育者へのアンケート調査を予定している。
なお、オンラインでの調査に関しては、倫理上の問題や対象者の選出について慎重に検討した上で実施することとする。
収集したデータは速やかに分析を行い、学会発表の準備や論文執筆を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍が長期間に及んでおり、調査協力者の確保及び調査実施に困難が生じており、計画通りの研究が遂行できていないため、予算が繰り越しとなっている。
次年度は、オンライン形式での調査方法に変更すると共に、調査内容も当初の計画よりも縮小する等して研究協力者への負担を軽減するよう考慮し、データ収集は民間の調査会社に依頼してオンライン上で調査協力者を募集する費用に充てたいと考えている。
また、インタビュー調査の対象者の中には、オンラインでのインタビュー調査の実施環境が整っていないことがあるため、調査実施のための整備に関わる費用としても使用する予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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