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2017 年度 実施状況報告書

介護者のセルフケアプログラムの開発に関する実践的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K00767
研究機関北翔大学

研究代表者

風間 雅江  北翔大学, 教育文化学部, 教授 (60337095)

研究分担者 先崎 章  東京福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (20555057)
本間 美幸  北翔大学, 生涯スポーツ学部, 准教授 (30295943)
八巻 貴穂  北翔大学, 生涯スポーツ学部, 准教授 (30364293)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード介護職 / 介護家族 / セルフケア / ストレスマネジメント / マインドフルネス / 高次脳機能障害 / 心理介入プログラム
研究実績の概要

介護職および介護家族のウェルビーイングの向上に繋がるセルフケアプログラムを開発するために、今年度は以下の研究活動を行った。
1.介護職のウェルビーイングに関与する要因を調べるために、2017年3月(前年度)に全国の介護職を対象に実施したインターネット調査のデータを詳細に分析したところ、マインドフルネスが主観的幸福感を高めることが明らかになった。
2.介護職のウェルビーイングを高めるセルフケアプログラムの予備的検討として、心理学的ストレス理論ならびにマインドフルネス・アプローチを含むストレスマネジメント法の心理教育等の内容のセルフケアプログラムの試案を作成した。所属研究機関の研究倫理委員会の審査を経て、介護職を対象に少人数の集団での実践的検討を試みた。プログラムの実施に先だち、心理介入プログラム担当者が、マインドフルネス・アプローチの実践上のスキルを高めるために、オクスフォード大学マインドフルネスセンター講師陣による指導者養成集中セミナーに参加し、そこで習得した技法をプログラムに導入し、多彩な内容を展開した。セルフプログラムの実施後、参加した介護職間での活発な意見交換から新たな示唆が得られた。
3.介護家族対象のセルフケアプログラムの予備的検討として、2015年と2016年に主催した「介護をする人のためのセルフケア講座」の実施内容の精査、ならびに、そこで得たアンケート調査のデータ、および参加者の日常生活での実践記録について再分析を行った。
4.高次脳機能障害(失語症、運動機能障害等)の当事者・家族会に参加し、求められる支援活動を実践しながら、当事者の語りを傾聴し、当事者と家族のニーズと支援者の在り方について考察した。認定健康増進施設において、高次脳機能障害(記憶障害)の当事者および関係者への長期にわたる医療分野での実践を通して、記憶障害の生活支援および社会支援について検討を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当該研究事業期間の初年度として、過年度に介護職を対象として得たデータの分析報告を通して、マインドフルネスの概念を主軸として、プログラム構築に有効な知見が得られた。試案の構成内容を検討する上で貴重な示唆が得られ、介護職を対象に小規模ながらも実践的検討を進めることができた。しかし、当初の予定に挙げていた、介護家族を対象とした多面的な心理的要因を変数とした調査や個別インタビュー調査を実施することができなかった。次年度はこうした点を含め研究活動を展開したい。

今後の研究の推進方策

今年度はセルフケアプログラムの内容を精査するにあたって、マインドフルネスの概念を主軸に検討した。今後は、介護疲労が蓄積した状態、あるいは、バーンアウトの状態も視野にいれ、アンガーマネジメントを含めたより広いアプローチを検討の対象に含めて、有効なストレスマネジメント法について検討する予定である。さらに、海外での実践研究や事例研究について、幅広く文献調査を通して情報を収集し、介護職ならびに介護家族のウェルビーイング向上のためのプログラムの開発のために有効な知見を整理する。

次年度使用額が生じた理由

事業初年度に実践研究の記録および分析のためのビデオカメラおよび動画分析ソフトウェア、およびプログラムでの配布冊子の印刷のためのレーザーカラープリンター等の設備備品の購入を予定していたが、今年度の活動は過年度のデータの再分析とプログラムの試案作成のための検討に時間がかかり、予定した備品を使用するまでに至らなかった。今年度の研究成果をふまえて、精査したプログラムを来年度実践する際に、上記の機器備品の購入を検討する。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (8件) (うちオープンアクセス 6件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 高次脳機能障害ケア2018

    • 著者名/発表者名
      風間雅江
    • 雑誌名

      臨床心理学

      巻: 18(4) ページ: 掲載確定

  • [雑誌論文] 介護職におけるマインドフルネスと主観的幸福感の関係2018

    • 著者名/発表者名
      風間雅江・本間美幸・八巻貴穂
    • 雑誌名

      北翔大学教育文化学部研究紀要

      巻: 3 ページ: 47-54

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Significance of using certified health promotion facilities for people with memory disorders caused by brain injuries2018

    • 著者名/発表者名
      Akira SENZAKI
    • 雑誌名

      茶屋四郎次郎記念学術学会誌

      巻: 8 ページ: 77-90

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 運動療法の可能性 高次脳機能障害(外傷性脳損傷や脳卒中などによる)2018

    • 著者名/発表者名
      先崎章
    • 雑誌名

      Jpn J Rehabil Med

      巻: 55 ページ: 198-205

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] リハビリテーション患者のうつにどう対応するか2018

    • 著者名/発表者名
      先崎章
    • 雑誌名

      Jpn J Rehabil Med

      巻: 55 ページ: 143-151

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] マインドフルネスが介護職の主観的幸福感に及ぼす影響2017

    • 著者名/発表者名
      風間雅江
    • 雑誌名

      日本心理学会第81回大会発表論文集

      巻: 81 ページ: 316

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 復職の支援 高次脳機能障害2017

    • 著者名/発表者名
      先崎章
    • 雑誌名

      Jpn J Rehabil Med

      巻: 54 ページ: 270-273

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] リハビリテーション領域における心理専門職 神経心理学的障害(高次脳機能障害)者の評価と支援2017

    • 著者名/発表者名
      先崎章・菅野裕太郎
    • 雑誌名

      臨床リハ

      巻: 26 ページ: 1256-1260

  • [学会発表] マインドフルネスが介護職の主観的幸福感に及ぼす影響2017

    • 著者名/発表者名
      風間雅江
    • 学会等名
      日本心理学会第81回大会
  • [学会発表] 全般性注意障害のリハビリテーション 記憶障害などの他の認知機能との関連も含めて2017

    • 著者名/発表者名
      先崎章
    • 学会等名
      第54回日本リハビリテーション医学会学術集会 教育講演
    • 招待講演
  • [学会発表] 身体障がい者とうつ状態 リハでの対応も含めて2017

    • 著者名/発表者名
      先崎章
    • 学会等名
      第54回日本リハビリテーション医学会学術集会 教育講演
    • 招待講演
  • [図書] 「臨床神経心理学」症候の理解 社会的行動障害2018

    • 著者名/発表者名
      先崎章(緑川晶・山口加代子・三村將 編集)
    • 総ページ数
      14
    • 出版者
      医歯薬出版

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公開日: 2018-12-17  

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