研究課題/領域番号 |
17K00773
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研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
瓜生 淑子 京都女子大学, 発達教育学部, 教授 (20259469)
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研究分担者 |
杉井 潤子 京都教育大学, 教育学部, 教授 (70280089)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 育休制度 / 男女の取得率の偏り / 取得者の不利 / 0歳児保育 / 待機児童対策 / 育休明け保育 / 3歳児神話 / 男女共同参画 |
研究実績の概要 |
心理科学研究会2017年度春の研究集会にて、研究協力者の清水民子と「育児休業の光と影」と題して、分科会報告し、社会的にポジティブに捉えられている日本の育児休業制度の孕む問題点について指摘を行った。他方、育休取得経験のある研究者からは、その制度の積極面が語られ、多面的で丁寧な分析の必要性と政策批判のあり方について示唆を得た。 研究協力者の清水民子との共著で、「育児休業制度の実情と課題-ジェンダー・アンバランスの根源にあるものは何か-」を京都女子大学発達教育学部紀要(2018、14、115-114)に発表した。1章では、制度の始まりを1965年の当時の電電公社と労組の間にかわされた「育児休職」協約までさかのぼり、その後の一般労働者を対象とした育休制度の改訂経過を整理した。とくに、近年、待機児童対策として機能している側面を指摘した。2章では、育休明け乳児の入所に伴う受け入れ側の困難な状況について取り上げた。3章では、制度が孕む暗黙の言説の分析を行い、心理学研究が政策に取り入れられ、「3歳児神話」を補強してきた点を取り上げた。4章では、①男女共同参画の保障、②乳幼児の発達と保育制度の点から、今一度、吟味し直されるべき制度の課題について具体的に指摘した。 今後の取り組みとして、北欧などでは必ずしも定着していない0歳児保育の位置づけの比較研究と、「共同注意」の発達をキー概念にした心理学的研究による育休制度定着後の乳児の発達の今日的検討が求められていることが明確になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)現行の育休制度の問題点については、歴史的考察も含め、おおむね指摘することができた。 2)それらを、学会発表や雑誌論文で発表した。 3)家庭で育つ乳児の実情と課題について、「共同注意」をキー概念にして心理学研究として行う見通しを持った。
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今後の研究の推進方策 |
1)家庭で育つ乳児の実情と課題について、「共同注意」をキー概念にした心理学研究として、乳児とその保護者を対象とした個別実験研究に具体的に取り組む。 2)北欧視察によって、0歳児の時期には家庭での養育を前提とする育休制度がどのようにして体系化されたのかについて、各国の制度の制定経過を踏まえた分析を行う。また短時間勤務の制度への組み込み方についても把握する。 3)育休取得者へのヒアリング、ファミリーフレンドリー企業や大学の男女共同参画室へのヒアリングを行い、制度の「光と影」の実情を把握する。、
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:日本の育児休業制度導入にあたって、先進例として参考にされたスウェーデン現地調査を2017年9月に実施予定であったが、公務遂行のため出張研究がかなわず、次年度送りとしたため。 計画:2018年8月末に、ストックホルム近辺で、自治体関係者・保育関係者等にヒアリング調査を計画中で、前年度未使用分と合わせて予算を計上する。
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