本研究は、フランス社会における子どもにとっての保育のあり方について、保育目的と内容、方法に焦点をあて、保育や保育者養成制度に関する法令を整理し、養成校の教員へのインタビュー調査を通じて手がかりを探った。明らかになったのは以下である。1.再福祉化 2.養成内容の均一化と養成教員のヒエラルキー化 3.幼児教員(EJE)の保育現場からの退行 4.個々の養成学校のイニシアティブによる保育・ソーシャルワークの国際学術教育ネットワークの活性化 5.保育ママ研修との非連続性 である。今後の課題は、本研究で明らかになったこれらの動向をもとに、ヨーロッパレベルでの保育の統一化と個別性について検討することである。
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