研究課題
基盤研究(C)
試料を凍結粉砕して粉体状で計測する従来のTHz分光分析法では繊維試料本来の分子構造情報が計測できなかったが,直径500μm以下の繊維を並列に配置することで高S/N比でのスペクトルが計測可能であった.計測の際にTHz光を偏光することで,繊維試料内の分子配向状態によってスペクトル形状が変化することも示された.以上より,赤外分光分析とTHz分光分析を組み合わせることで,分子構造も加味した繊維鑑別が可能となった.
計測工学、繊維工学
衣類を含め繊維製品は現代の暮らしの中で必要不可欠なものであり,高機能性を有する「スマートテキスタイル」と呼ばれる繊維製品など日々新たな製品が開発・販売されている.繊維製品を販売する際にはメーカーは品質保証のため専門機関での組成検査が義務付けられているが,生産量が増大するにつれて検査機関での労力も増加し迅速な品質評価法が望まれていた.本研究結果により,前処理が簡便で分子構造鑑別が可能となったことから,検査機関での労力低減や短時間でのさらなる高精度での繊維鑑別が達成されることとなる.