| 研究課題/領域番号 |
17K00790
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| 研究機関 | 奈良女子大学 |
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研究代表者 |
井上 容子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (70176452)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | タスク＆アンビエント照明 / 適所適光 / 作業性 / 節エネルギー / 空間的分布 / 時間的分布 |
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| 研究実績の概要 |
タスク＆アンビエント照明（以下、TALと表記）は、天井照明などの空間全体の照明(アンビエント照明)を抑え、個々のスタンド照明など(タスク照明)で作業箇所の明るさ(照度・輝度)を確保する省電力な不均一照明方式であり、欧米では広く普及している。一方、日本では風土・文化・生活スタイル・電力供給力などによって培われた日本人独自の均一照明への要求が起因して欧米のような普及がみらない。
本研究ではTALの不便さ、煩わしさ、不快さなど、我が国への導入に当たっての課題を明確にした上で、研究期間内に、煩わしさ・不快さを解消するための明るさの空間的・時間的分布に関するTAL設計指針を被験者実験結果に基づいて提案する。適所適光による快適性と多様性を確保したTALを実現し、生活空間を豊かにすると共に、照明用エネルギーの大幅削減にも寄与する。
具体的には、4年間の実施期間内に4つの実験を計画・実施し、これに基づいて「明るさの調整速度」 の影響を明らかにし、合理的なTAL制御システムを提案する。4つの実験は次の通りである：＜実験1＞タスク照明Tの調整速度 ＜実験2＞アンビエント照明Aの調整速度＜実験3＞タスク照明とアンビエント照明の明るさの比(T/A)の調整速度＜実験4＞T/A一定時の作業面の明るさ（T+A）の調整速度。
平成29年度は、＜実験1＞タスク照明Tの調整速度 ならびに＜実験2＞におけるアンビエント照明Aの減光速度の影響について検討している。さらに①タスク照明、②アンビエント照明、③タスク＆アンビエント照明、それぞれの照明方式による推奨照度の推定法についての検討も行っている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
応募課題では、「明るさの調整速度」 の影響を明らかにし、合理的なTAL制御システムを提案することを目的として、4つの実験実施とその分析に基づいたシステムの構築を計画している。
4つの実験は次の通りである：＜実験1＞タスク照明Tの調整速度 ＜実験2＞アンビエント照明Aの調整速度＜実験3＞タスク照明とアンビエント照明の明るさの比(T/A)の調整速度＜実験4＞T/A一定時の作業面の明るさ（T+A）の調整速度。
平成29年度は、当初は＜実験1＞の分析、および＜実験2＞の計画・実施と結果分析を計画していたが、＜実験1＞の分析結果に基づいて＜実験2＞を計画するにあたり、その実験規模から減光速度実験と増光速度実験に分けて行うこととし、平成29年度は、優先度の高い減光実験に取り組むこととし、ほぼ予定通り遂行している。
さらに、合理的なTAL制御システムを提案するには、調整速度の影響に加えて設定照度の影響も重要であるため、これについても並行して検討を進めることとした。そのため、①タスク照明、②アンビエント照明、③タスク＆アンビエント照明、それぞれの照明方式による推奨照度を求めるために、被験者実験結果に基づいて、容認照度・許容照度の合理的推定手法の検討を行っている。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、平成29年度に引き続き、＜実験2＞アンビエント照明Aの増光速度に関する実験を計画・実施する。
また、これまでの実験結果を用いて、①タスク照明、②アンビエント照明、③タスク＆アンビエント照明、それぞれの照明方式による設定照度の影響についても併せて検討を行う。
さらに、＜実験1＞タスク照明Tの調整速度 ＜実験2＞アンビエント照明Aの調整速度の分析結果を参考に、＜実験3＞タスク照明とアンビエント照明の明るさの比(T/A)の調整速度の実験条件を検討し、これに基づいて実験3で用いるTAL調光装置（タスク照明とアンビエント照明に相互関係を持たせた同時調光装置）の仕様を決定する。
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