研究課題/領域番号 |
17K00792
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高田 宏 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (80403583)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | エネルギー / 環境意識 / 環境配慮 / 子ども / 環境教育プログラム / 次世代教育 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,未来を担う子ども達に,正しいエネルギー・環境意識と環境配慮行動を定着させるために,どのような次世代教育が有効であるのか,その手がかりを掴むことである。具体的な研究内容は次の4点である。①家庭における子どものエネルギー消費の実態を明らかにする。②子どものエネルギー・環境意識と行動を明らかにする。③省エネ行動提案による子どもの意識と行動の変化の有無について明らかにする。④家庭や学校における持続性のある次世代環境教育プログラムを開発・提案する。 平成29年度の研究実績は以下のとおりである。 ①モニタ住宅の選定:小学5年生から中学3年生までの子どもを持つ家族を対象として,調査協力していただけるモニタ住宅10件を選定した。当初計画よりモニタ住宅の選定に時間がかかったため,調査実施は平成29年秋期からとなった。②アンケート調査を実施し,生活者の環境意識と行動を明らかにする:モニタ住宅の家族全員に対するアンケート調査を実施した。また,家族全員に対して生活行動記入調査を実施して,各期調査期間中の4日間の生活行動を詳細に把握した。③エネルギー消費量の測定を行い,モニタ住宅のエネルギー消費実態を明らかにする:モニタ住宅に既設の検針用水道メータ,ガスメータ,分電盤における流量測定を行った。同時に室内および外気の環境条件を把握するため,室内温湿度の測定を行った。現地で計測したデータをインターネットを介してサーバーに保存する測定システムの構築に時間を要したため,平成29年度は夏期の調査を断念し,秋期・冬期の調査を実施している。④調査データを解析する:②,③より得られたデータについて集計・解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
モニタ住宅の選定およびエネルギー消費量の測定システムの構築に時間がかかったことから,当初予定していた夏期からの調査実施が難しくなった。モニタ住宅の選定後,ヒアリング調査を実施し,モニタ住宅に測定機器の取り付けを行い,アンケート調査およびエネルギー消費量の測定が可能となったのが,平成29年の秋期からである。平成29年11~12月に秋期調査,平成30年1~2月に冬期調査を実施し,アンケート調査結果およびエネルギー消費量の測定結果を集計中である。集計にも時間を要したため,年度内での学会発表は難しい状況であった。
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今後の研究の推進方策 |
①平成30年度夏期の調査を実施する:平成29年度に実施できなかった夏期調査を平成30年8月頃に実施予定である。②平成29年度秋期,冬期調査の結果および平成30年度夏期調査の結果をそれぞれ分析する。③各モニタ住宅における省エネ行動提案を行う:モニタ住宅におけるエネルギー消費実態を把握し,各家庭で実践できる省エネ行動をいくつか提案し,平成30年度の冬期調査では,省エネ行動を意識した生活を行ってもらうよう依頼する。④アンケート調査・エネルギー消費量調査(平成30年度調査)を実施する:平成29年度と同様のアンケート調査・エネルギー消費量調査を実施する。⑤調査データを解析する:④より得られたデータについて解析を行う。特に,エネルギー・環境意識や省エネ行動の変化について着目し,意識や行動の継続性について明らかにする。⑤研究成果を国内・国外学会で発表する:解析結果について,国内・国外学会で発表し,同分野の研究者や教育者から意見をいただく。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請時の経費から減額されたため,予定していた測定方法自体を変更した。その結果,調査実施が遅れ,調査協力いただいているモニタ住宅の居住者への謝金の支払いが遅れている。そのために使用額に差が生じている。 1年間に3回の調査を行う予定であり,平成30年8月に1年目の調査が終わり,それを区切りとして,1年間の調査協力に対する謝礼をモニタ住宅の居住者へ支払いする予定である。
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