まずフィールド調査から伝統的住宅の特徴的空間とそこに形成される微気候は現状では滞在場所としてあまり利用されていないことが分かった。よってシミュレーションではそれらを上手く活用した場合の暖冷房負荷削減効果を算出した。結果、伝統的住宅の特徴的空間の利用は暖冷房負荷を削減させる可能性を有することが示された。例として、田の字平面の各室を夏期と冬期で使い分ける、冬期日中の縁側を滞在場所として活用する、縁側-居間の間仕切りを開放して居間で暖気を利用する、土間室温が居間より低温の夏期~中間期の日中数時間を土間で過ごす、といった住まい方で暖冷房負荷の削減効果がみられた。
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