本研究では、亜熱帯柑橘としてシークヮーサーに着目し、その精油の香りの特性、香気成分によるストレス低減効果および抗炎症作用について解析・評価した。シークヮーサー精油の構成成分はガスクロマトグラフ(GC)を用いて分析し、香りの特性は香気抽出物希釈分析によるGC-におい嗅ぎ法により解析できた。また精油および主要な構成成分の香り環境下で、健常な成人女性によるビジュアル・ディスプレイ・ターミナル作業に伴うストレス低減効果を検証した。さらに、精油および主要な構成成分の抗炎症作用について、炎症メディエーターに対する抑制効果を確認した。得られた知見は、消費者や食品産業での実践的な香りの活用につながると考える。
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