研究課題/領域番号 |
17K00820
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食生活学
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研究機関 | 石川県立大学 |
研究代表者 |
松本 健司 石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (60288701)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | レジスタントスターチ / 難消化性糖質 / 生理機能 / 動物実験 |
研究成果の概要 |
本研究では難消化性デキストリンを含む種々のレジスタントスターチ(RS)の機能性について検討を行った。本研究において、難消化性グルカンは腸内細菌にほとんど資化されないが、非常に高い腸管IgA誘導を有することを明らかにした。また、RS含有うどんを高脂肪食餌とともにマウスに摂取させると、盲腸内のプロピオン酸と酪酸含量が増加し、耐糖能異常が緩和され、腸管IgA分泌が促進する効果が見られた。一方、RSをパンケーキに添加した実験では糞中IgAの増加などが見られたが盲腸内の短鎖脂肪酸は増加せず、生デンプンで見られた効果は限定的であった。よって、加工方法によりRSの保健効果は異なることが明らかになった。
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自由記述の分野 |
食品機能
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
難消化性グルカンは盲腸内の短鎖脂肪酸の誘導を伴わずに腸管IgAを誘導した。これまで難消化性糖質による腸管IgA誘導は、腸内細菌によって難消化性糖質から作られる短鎖脂肪酸が関わっていると報告されている。従って、難消化性グルカンによる腸管IgA誘導は新しいパターンであり、学術的に興味深い。また、RSの研究結果では、うどんや焙煎といった加熱加工ではRSの機能性が動物実験で見られた一方で、パンケーキではRSの特徴である大腸での短鎖脂肪酸の増加が見られず、糞量や糞中IgAの増加など、生デンプンで見られたRSの機能性が限定的であることが分かった。この結果はRSを利用した商品の開発において重要な知見である。
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