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2018 年度 実施状況報告書

古くて新しい現代の塩蔵食品に潜む食中毒リスクの評価と微生物制御法の提案

研究課題

研究課題/領域番号 17K00821
研究機関石川県立大学

研究代表者

中口 義次  石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (70378967)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード塩蔵食品 / 伝統食品 / 減塩 / 低塩分 / 食中毒菌 / 腸炎ビブリオ
研究実績の概要

日本各地では、食料の保存のために塩を用いて生み出された塩蔵食品が数多く存在している。また周囲を海で囲まれた日本では、その豊富な水産資源を利用した塩蔵食品が数多く存在し、近年では、製造時に使用する食塩の量を減らした低塩分の塩蔵食品に人気が集まっている。その塩蔵食品は、古くはメコン川流域で生み出されたと考えられており、それが中国を経由して日本に伝わったとされている。このような塩蔵食品は、近年の減塩志向の影響から低塩分化が進んでいるが、一方で、低塩分化によるこの食品の安全性の低下は大きな問題となっている。そこで、低塩分の塩蔵食品の細菌性食中毒に対する安全性を評価し、さらに安全安心な低塩分の塩蔵食品の製造方法の確立に取り組むこととした。前年度に各種の塩蔵食品の市場調査を実施し、それら製品の安全性について、塩分濃度や水分活性を指標として、細菌汚染の実態を明らかにした。本年は、さらに東南アジア各国で製造されている塩蔵食品について、市場調査を行い、それら食品の特徴を明らかにするための調査を実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

日本における低塩分化した塩蔵食品の細菌汚染について、塩分濃度と水分活性を指標として、その食中毒リスクを明らかにすることができた。また東南アジア各国に存在する各種の塩蔵食品について調査を実施し、その特徴などについて情報収集ができた。

今後の研究の推進方策

これまでに、低塩分化された塩蔵食品について、塩分濃度と水分活性を指標とした細菌汚染の実態を明らかにすることができた。またアジア、特に東南アジア各国で製造されている塩蔵食品についても、調査を実施し、その特徴を明らかにすることができた。今後は、各種の塩蔵食品の安全安心な製造方法の確立に取り組む。

次年度使用額が生じた理由

塩蔵食品の細菌汚染及びその製造時における微生物制御法の確立についての実験において、多少の残金が生じたが、次年度の実験に適切に使用する予定である。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件)

  • [国際共同研究] プリンスオブソンクラ大学(タイ)

    • 国名
      タイ
    • 外国機関名
      プリンスオブソンクラ大学
  • [国際共同研究] プトラマレーシア大学/マラヤ大学(マレーシア)

    • 国名
      マレーシア
    • 外国機関名
      プトラマレーシア大学/マラヤ大学
  • [国際共同研究] アンダラス大学(インドネシア)

    • 国名
      インドネシア
    • 外国機関名
      アンダラス大学
  • [雑誌論文] 塩蔵食品の過去・現在:塩蔵食品の特性の変化と細菌汚染と食中毒リスク2018

    • 著者名/発表者名
      中口義次
    • 雑誌名

      日本海水学会誌

      巻: 75 ページ: 288-294

  • [雑誌論文] Occurrence of methicillin-resistant Staphylococcus aureus in raw shellfish at retail markets in Malaysia and antibacterial efficacies of black seed (Nigella sativa) oil against MRSA.2018

    • 著者名/発表者名
      Othman, B. R., Kuan, C. H., Mohammed, A. S., Cheah, Y. K., Tan, C. W., New, C. Y., Thung, T. Y., Chang, W. S., Loo, Y. Y., Nakaguchi, Y., Nishibuchi, M., Radu, S.
    • 雑誌名

      Food Control

      巻: 90 ページ: 324-331

    • DOI

      10.1016/j.foodcont.2018.02.045.

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Detection of Vibrio cholerae in street food (satar and otak-otak) by Loop-Mediated Isothermal Amplification (LAMP), multiplex polymerase chain reaction (mPCR) and plating methods.2018

    • 著者名/発表者名
      Tang, J. Y. H., Farhana Sakinah, M.R., Nakaguchi, Y., Nishibuchi, M., Chai, L. C., New, C.Y. Radu, S.
    • 雑誌名

      Food Research

      巻: 2 ページ: 447-452

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 天然物系抗菌剤(精油)2018

    • 著者名/発表者名
      中口義次
    • 雑誌名

      日本防菌防黴学会誌

      巻: 46 ページ: 466-471

  • [学会発表] 食中毒予防に向けた天然由来の新規殺菌料の探索と可能性.2019

    • 著者名/発表者名
      中口義次
    • 学会等名
      BMSA北越拠点第三回セミナー「フードディフェンス最前線」
    • 招待講演
  • [学会発表] 東南アジアで展開するフィールド型感染症研究:人・食・病原体.2018

    • 著者名/発表者名
      中口義次
    • 学会等名
      海外学術調査フォーラムプログラム「フィールドサイエンスにおける生物・文化的多様性の危機と保護」地域別分科会(I. 大陸部東南アジア)
    • 招待講演
  • [学会発表] 天然精油の食中毒菌に対する抗菌効果の探索と食品分野への利用.2018

    • 著者名/発表者名
      中口義次
    • 学会等名
      平成30年度石川県立大学「シーズ発表会」×いしかわ大学連携インキュベータ「iBIRDセミナー」
    • 招待講演
  • [学会発表] 未来を拓く天然素材の可能性:身近な精油の抗菌効果の探索と食品分野での利用に向けて.2018

    • 著者名/発表者名
      中口義次
    • 学会等名
      第17回石川県立大学食品科学科公開セミナー「食品の安全性研究ー過去・現在・未来ー」

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公開日: 2019-12-27  

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