研究課題
日本各地では、食料の保存のために塩を用いて生み出された塩蔵食品が数多く存在している。また周囲を海で囲まれた日本では、その豊富な水産資源を利用した塩蔵食品が数多く存在し、近年では、製造時に使用する食塩の量を減らした低塩分の塩蔵食品に人気が集まっている。その塩蔵食品は、古くはメコン川流域で生み出されたと考えられており、それが中国を経由して日本に伝わったとされている。このような塩蔵食品は、近年の減塩志向の影響から低塩分化が進んでいるが、一方で、低塩分化によるこの食品の安全性の低下は大きな問題となっている。そこで、低塩分の塩蔵食品の細菌性食中毒に対する安全性を評価し、さらに安全安心な低塩分の塩蔵食品の製造方法の確立に取り組むこととした。前年度に各種の塩蔵食品の市場調査を実施し、それら製品の安全性について、塩分濃度や水分活性を指標として、細菌汚染の実態を明らかにした。本年は、さらに東南アジア各国で製造されている塩蔵食品について、市場調査を行い、それら食品の特徴を明らかにするための調査を実施した。
2: おおむね順調に進展している
日本における低塩分化した塩蔵食品の細菌汚染について、塩分濃度と水分活性を指標として、その食中毒リスクを明らかにすることができた。また東南アジア各国に存在する各種の塩蔵食品について調査を実施し、その特徴などについて情報収集ができた。
これまでに、低塩分化された塩蔵食品について、塩分濃度と水分活性を指標とした細菌汚染の実態を明らかにすることができた。またアジア、特に東南アジア各国で製造されている塩蔵食品についても、調査を実施し、その特徴を明らかにすることができた。今後は、各種の塩蔵食品の安全安心な製造方法の確立に取り組む。
塩蔵食品の細菌汚染及びその製造時における微生物制御法の確立についての実験において、多少の残金が生じたが、次年度の実験に適切に使用する予定である。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件)
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