研究実績の概要 |
1,最終年度の研究実績概要 前半は、食材の調製条件を再確認し若年者で官能検査を追実施した。対象食材はソフトスチーム加工「鮭」「エビ」とした。各評価項目(5段階評価)で「良い・やや良い」と回答した者の割合(鮭、エビの順、%)は①見た目(92, 91)②おいしさ(83, 73)③硬さ(50, 73)④食べやすさ(58, 64)⑤飲み込みやすさ(25,64)であった。両食材とも見た目とおいしさで高評価が得られ、他の項目でも良好な結果となった。本研究の目的とした「安全でおいしい食材」の調製は実現できた。 後半は、介護現場の高齢者を対象に調査を行う準備をしていた。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大が始まったため予定を変更し「高齢者の食事に関するWEB調査(30問)」を1月下旬に実施した。全国の①自立した高齢者200名②在宅の要支援・要介護高齢者のご家族200名(被介護者について回答)を対象とした。①と②で回答が異なった(%)のは、食事をとても楽しみにしている者が①73.5②48.0、硬いものを控えている者が①10.5②44.0、食事の準備で困っていることの1位が①特にない②献立のマンネリ化、食事の摂り方で困っていることの1位が①特にない②飲み込みにくい、むせる等であった。一方、①②ともに市販の介護食に求めることの1位は、おいしさであり、②における2位以下は、形があって軟らかい、調理の手間が省ける、見た目が良い、であった。介護者が介護食に求める特性の多くは本研究で調製した食材により実現可能であり、本研究の意義を確認できた。 2,研究期間全体を通じた研究実績概要 食材を選定し調製条件を変えてソフトスチーム加工し、高齢者向けの食べやすい食材として必要な物性があるかを調べ、適切な条件を決定した。同食材を用い、若年者や高齢者で官能評価を実施した後、上述した最終年度の実績概要通りの成果を得た。
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