(1)MRI動画を用いて嚥下時の様子を可視化し、画像解像度および画像枚数について最大撮像枚数(25.6fps)での撮像を行った。②鉄(Fe)を含む飲料水に、とろみ剤・ゲル化剤でとろみをつけて、画像撮像ならびに画像評価を行い、画像の信号強度(S/N)を上げることができた。③動画記録のための画像撮像の位置およびスライス厚については、矢状断面および冠状断面の2方向での位置決めとスライス厚(1.5mm)で実験を試みた。④とろみ剤を経口摂取するため、スポイト・チューブを固定し、1回嚥下量を30ml前後での撮像を行った。 (2)画像解析:健康成人男性(1名)に対して、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の早見表(とろみ)の3タイプのとろみ調整食の口腔咽頭領域での流動評価について、最大撮像枚数(25.6fps)でのMRI撮像を行った。2方向(矢状断および冠状断)での撮像を行い、その違いについて、時間軸による分析を行った。 (3)とろみの評価:実際に実験で使用したとろみ剤・ゲル化剤を用いた3タイプ(とろみ1、とろみ2、とろみ3)のとろみ調整食について、LST(line spread test)測定、B型粘度計およびクリープメータを用いて、物性評価も行った。 (4)得られたデータをまとめて、学会発表および論文投稿を行った。また動画については、Youtubeへのアップを行い、論文中にバーコードを掲示することによりいつでもアクセスできるようにした。X線嚥下造影検査(VF)や嚥下内視鏡検査(VE)で得られる画像と同様な結果が得られた。非侵襲的で被曝の問題もないこの手法がさらに臨床の場面で実用化されることを期待したい。
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