研究課題/領域番号 |
17K00846
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
泉田 欣彦 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (80384410)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 脂質代謝 / 糖代謝 / 糖鎖 / エネルギー代謝 / 非アルコール性脂肪性肝炎 |
研究実績の概要 |
インスリン抵抗性のメカニズムとして、エネルギー代謝において、脂質の同化に比し、糖・炭水化物同化が過少となること、つまり糖/脂質バランスの崩れ (Carbohydrate-lipid imbalance)が重要であることを提唱してきた。この代謝制御による糖/脂質調節機構(Carbohydrate-lipid balance)を明らかにする ことで、各代謝臓器の各論的な側面では語ることのできなかった統合的な制御機構が明らかになると考えられる。このような発想のもとに、本発明者らは、飢餓 時における肝臓内のグリコーゲン消費に応じて、肝臓迷走神経の神経性代謝情報が生理的な脂肪分解を引き起こすことを明らかにした。また、これらの制御機構 を規定する肝臓内の代謝基盤として、グリコーゲン消費を感知する未知の“グリコーゲン・センサー”が存在することを明らかにした。さらに、この代謝制御性 神経回路は、肝臓から迷走神経を介して中枢神経系へ送られ、そこから交感神経遠心路を通じて脂肪組織が刺激されて脂肪分解が生じることを明らかにした。 肝臓の代謝パターンを神経系共通情報として翻訳するメカニズムの探求を通して、神経系代謝制御に介入しエネルギーホメオシターシスを制御する基盤となる メカニズムの解明に鋭意取り組んだ結果、肝から生合成される分子Xをを阻害することにより、肝細胞内のエネルギー基質として、糖質であるグリコーゲンと比 して中性脂肪を優先的に燃焼させると同時に、脂肪組織内の脂肪分解を促進して脂肪量を減少させ、その脂肪組織を褐色脂肪組織化することができ、これらメカ ニズムの総和として肝臓内のβ酸化亢進と炎症抑制、酸化ストレスの軽減に繋がることを見出した。 この知見をもとにPCT国際特許公開を行った。 International Application No.:PCT/JP2017/018093 PublicationDate:16.11.2017
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
肝細胞内のグリコーゲン代謝変化による FactorX糖鎖結合モジュールの機能解析を行うためのin vivo, in vitro モデルの作成に時間を要しているため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究結果の最大の目標は FactoX分子の分子代謝学的な基盤解析である。 また、創薬へ向け ての臨床応用が期待されるため、既に特許庁への特許申請が済んでいる案件に加え、PCT国際特許取得を目指す。 それをもとに、論文や特許以外に新たな医科産業の構築に繋がるシ ーズとして応用技術の熟成まで導き新規医療技術として社会あるいは国民へ貢献する。
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