研究課題/領域番号 |
17K00855
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
衣笠 良治 鳥取大学, 医学部, 助教 (60598944)
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研究分担者 |
加藤 雅彦 鳥取大学, 医学部, 准教授 (40362884)
山本 一博 鳥取大学, 医学部, 教授 (90303966)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 味覚異常 / 心不全 |
研究実績の概要 |
慢性心不全患者において塩分制限の不徹底は、心不全増悪要因の約3割にのぼることが報告されており、塩分制限は心不全患者の患者教育にかかせない。塩分制限を困難にする要因の一つに味覚感度の低下が関与している可能性がある。本研究では、①心不全患者における味覚異常(甘味、塩味、苦み、酸味)の頻度、②味覚異常と食生活や性格(行動分析)との関連、③栄養状態、フレイル、心不全予後への影響について検討し、心不全患者の味覚異常の特徴を明らかとし、将来的に、個々の患者の味覚の特性に合わせた栄養指導方法の確立を目的とする 心不全患者における味覚異常の頻度、特徴を調べるため、AHA/ACCの心不全ステージ分類をもとに、ステージAーDの外来患者を登録し、味覚調査をおこなった。味覚感度検査は「テーストディスク(三和化学研究所)」を用い、塩味、甘味、苦み、酸味の感度を調査した。また、各種血液検査、食習慣聞き取り調査(BDHQ)、性格診断(東大式エゴグラムVer Ⅱ)などもあわせて評価した。現在まだ、登録患者数が予定数に達していないため詳細な統計的解析はできないが、心不全の症状はないが、予備群に相当するステージA/Bの患者に比べ、有症候性の心不全である、ステージC/Dの患者では、塩分の味覚感度が低下している傾向にあった。その他の甘味、酸味、苦みに関しては差はあきらかでなかった。味覚の中でも塩分の味覚感度異常が心不全患者には多く、病態の形成、伸展に関連している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していたステージC/Dの心不全患者の登録はすみ、現在ステージA/Bの患者の登録をおこなっている。
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今後の研究の推進方策 |
登録患者をもう少し増やし、今後は詳細な解析をおこなう予定である
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