銅のキレーターであるクプリゾンを混合した餌を与えたマウスを統合失調症や多発性硬化症のモデル動物として用いて、植物性エストロゲンであるゲニステインによる治療効果を調べた。クプリゾン含有餌を5週間与えたマウスの脳梁および海馬では、MBPの発現量や成熟オリゴデンドロサイトの空間分布密度が低下し、脱髄が起こっていることが明らかとなった。ゲニステインはMBPの発現、成熟型オリゴデンドロサイトの空間分布密度、ミエリン関連遺伝子の発現のすべてを回復させた。以上からゲニステインは、クプリゾン摂取によって誘発される成熟型オリゴデンドロサイトの細胞死を抑制すると考えられる。
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