研究実績の概要 |
【研究目的】食用植物種子粗抽出成分をHPLC分画し、そのピークにおける時計遺伝子への影響をスクリーニングした結果、レタス種子粗抽出成分から得られたピークに時計遺伝子(Bmal1, Per1)および時計制御遺伝子であるSirt1への発現影響が認められた(平成30年度)結果を受け、令和元年度は、機構へのアプローチの初段階として、レタス種子抽出成分に着目し、時計遺伝子およびその制御遺伝子発現影響に対する機構の一端を探るため、脱アセチル化酵素SIRT1/Sir2活性に対する影響を検討した。 【方法】① 細胞の調整:ヒト線維芽細胞(TIG-1-20)は、37℃、5%CO2条件下で調整培養後、マイクロプレートに一定数播種し、細胞を同調化させるため、一週間さらに培養した。試料投与後4時間(一部のピークについては2時間投与と比較)インキュベーションを行った。② 核抽出:培地を除去しPBSで洗浄後、TrypLE Select (1X)で細胞を剥離し、遠心後上清を捨てた後、核抽出作業を行った。③ 脱アセチル化酵素の蛍光測定:SIRT1/Sir2 Deacetylase Fluorometric Assay kit (Cyclex)を使用し、Ex: 340nm、Em465nmにてサンプルの蛍光測定を行った。 【結果】レタス種子粗抽出物は、分画ピーク1、ピーク2が得られ、2つのピークは、ほぼ同様な脱アセチル化酵素活性が認められた。また、レタス種子粗抽出成分はコントロールより高い脱アセチル化酵素活性を示し、2つのピークともコントロールおよび粗抽出成分よりも高い脱アセチル化酵素活性が認められた。また、ピーク1に関して、分画ピークの2時間投与および4時間投与を比較したが、有意差は認められなかった。 【結論】発現影響は、レタス種子分画成分が脱アセチル化酵素SIRT1/Sir2活性に関わることに寄与する可能性を示した。
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