| 研究課題/領域番号 |
17K00864
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| 研究機関 | 甲南女子大学 |
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研究代表者 |
柴田 克己 甲南女子大学, 医療栄養学部, 教授 (40131479)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 栄養評価 / 2-オキソ酸 / ビタミン / 尿 / 疲労 / エネルギー産生栄養素 / 栄養指導 |
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| 研究実績の概要 |
食べた物の栄養価に基づいて，食べた人の栄養評価を行う間接的な栄養指導方法の限界を打破するために，食べた人側の情報に基づくより直接的な栄養指導方法の一つとして，尿中の2-オキソ酸量を用いる方法を提唱している．2-オキソ酸はグルコース，アミノ酸，脂肪酸がエネルギー産生系で処理されるときに生成する中間代謝産物で，エネルギー産生がスムーズでない時に蓄積し，尿中への排泄量が増大する．排泄量が増大した2-オキソ酸は対象者に必要なビタミンを補充することにより低下した．したがって，尿中の2-オキソ酸を測定することで，人のエネルギー産生系の栄養状態，言い換えれば疲労度を推測することができ，適正なビタミン補充を行うことで，エネルギー産生系をスムーズに戻すことも可能であることが分かった．
乳幼児の健康栄養評価のための尿中ビタミン量と2-オキソ酸量の参照値の提言のための，プレ研究として，ラットを用いて糖尿病時の尿中2-オキソ酸排泄量パターンの特徴を解析した．なお，この研究の実験部分は，滋賀県立大学時代に行ったものの中で，本科研費と関連が深い未整理データを整理・解析することでまとめたものである.特徴的なことは，筋肉で代謝される分岐鎖アミノ酸由来の2-オキソ酸排泄量が，正常ラットの対照群と比べて，顕著に高くなっていた．つまり，糖尿病時では分岐鎖アミノ酸の異化代謝の抑制が観察された．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年3月31日に滋賀県立大学を定年退職し，平成29年4月1日より，甲南女子大学看護リハビリテーション学部理学療法学科に再就職した．事実上は，新しい学部である医療栄養学部の開設準備委員も兼ねていたために，開設準備に多くの時間を取られてしまった．乳児・幼児の尿試料を十分に集められなかった．そこで，プレ研究として，エネルギー代謝に異常が生じる糖尿病ラットを用いた未整理データがあったので，整理・解析することで2-オキソ酸排泄量パターンの特徴を調べた．その結果，分岐鎖アミノ酸由来の2-オキソ酸である2-オキソイソ吉草酸，2-オキソ-3-メチル吉草酸，2-オキソ-4-メチル吉草酸の排泄量が，正常の対照群ラットと比べて顕著に増大することを明らかにすることができた．
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| 今後の研究の推進方策 |
１．甲南女子大学には総合こども学科があり，乳児，幼児が集まれる施設がある．この施設を運営する先生方の協力を得て，乳児・幼児の尿を集める．
２．女子学生の尿を集め，2-オキソ酸を測定する．2-オキソ酸の排泄量が高い人には，ビタミンを補充してもらい，尿中への2-オキソ酸排泄量が低くなるのかを調べる．
３．ピルビン酸とオキサロ酢酸の分別定量方法の確立
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| 次年度使用額が生じた理由 |
2017年度は新設の学部開設の準備の前年のため，十分な研究環境が整わず，実験が計画通りに実行できなかった．
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