乾癬は慢性的な皮膚炎が障害持続する原因不明の疾患で、患者の10%前後に関節破壊を伴う関節炎を合併する。また、メタボリック症候群と併存しやすく心血管障害のため寿命が6年も短い。脂肪酸結合タンパク(FABP)は細胞内の脂肪酸輸送を担うが、全身のさまざまな病態と深く関連する。 申請者は、乾癬患者皮膚全層からRNAを抽出しFABPのサブクラスの遺伝子発現を検討し、また、患者皮膚におけるFABP局在を検討した。予備的な研究で、網羅的遺伝子発現解析により発現の多かった、あるサブクラスのFABPが、すべての乾癬患者でメチル化され、対象群ではメチル化されていなかったため、乾癬の病態との関連が示唆された。
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