筋萎縮による可動性の低下は、生活の質の低下につながる。筋萎縮を抑制することは、高齢化社会を迎えたわが国にとって重要な課題である。分岐鎖アミノ酸(BCAA)はmTORの活性化を介して筋萎縮を抑制するが、成長ホルモン(GH)を欠くラットではBCAAによるmTORの活性化がみられない。GHやGHによって増加するホルモンであるIGF-Iは、BCAAを含むアミノ酸の輸送体であるLATIを筋で増加させ、mTOR活性化作用を増強した。一方、LAT1を阻害するとIGF-IのmTOR活性化作用は減弱した。GH/IGF-Iは細胞内へのアミノ酸輸送を増加させてmTORに作用する可能性が示唆された。
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