研究課題/領域番号 |
17K00901
|
研究機関 | 広島工業大学 |
研究代表者 |
村上 香 広島工業大学, 生命学部, 准教授 (90295866)
|
研究分担者 |
吉本 寛司 広島工業大学, 生命学部, 教授 (70111903) [辞退]
島田 良子 大阪青山大学, 健康科学部, 助教 (80739300)
片山 洋子 大阪青山大学, 健康科学部, 教授(移行) (50047049)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | ルイボス / グリーンルイボス / 糖類 |
研究実績の概要 |
本研究ではルイボス茶(RT)およびグリーンルイボス茶(GRT)において、これまであまり調べられていない遊離糖を解析した。ルイボスおよびグリーンルイボス茶葉5 gを500 mlの熱水で10分間抽出し、急冷後、凍結保存した。凍結保存試料は解凍後、薄層クロマトグラフィー(Thin-layer Chromatography;TLC)および核磁気共鳴装置(Nuclear Magnetic Resonance;NMR)で解析した。さらに、試料をロータリーエバポレーターで濃縮して、高速液体クロマトグラフィー(High-performance liquid chromatography;HPLC)を用いて示差屈折率検出器で検出・分取した各画分をNMRを用いて構造を解析した。 RTおよびGRTのTLC分析では、糖類が含まれていることが確認された。さらに、HPLC分析により、RTには1つ(Fraction.1)、GRTでは2つ(Fraction.1および2)のピークが確認された。Fraction.1および2は、1H NMRおよび13C NMRのデータをもとに、二次元解析した結果、それぞれ、ピニトール(D-ピニトール,3-O-メチル-D-カイロイノシトール)およびスクロースであることがわかった。ピニトールは、マメ科の植物に存在する天然の物質であり、抗酸化活性や血圧、血糖抑制、肥満抑制および多嚢胞卵巣症の病状を改善するなどの報告があるが、食欲増進に関する報告やRTおよびGRTの含有に関する詳細な報告はあまりみあたらなかった。また、発酵型のRTはほのかな甘みを有するが、糖類はほとんど含まれていないことがわかった。この結果から、味覚は食欲増進に影響を与える要素の一つであると考えられるが、味覚に関与する成分はアミノ酸であることが考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動物実験担当の分担者の所属の移動に伴い、2019年度内に本研究課題での動物飼育施設使用ができなかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
高週齢マウスを用いてRTおよびGRTの食欲亢進効果を検討する。 また、これまでに、RTおよびGRTにはカテコラミンの前駆体であるL-チロシンを特に多く含むことを示したが、近年、D-アミノ酸の脳内分布や生理作用の報告もあることから、RTおよびGRTに含まれるD-アミノ酸含量と食欲亢進効果についても検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
動物実験担当の分担者の所属の移動に伴い、2019年度内に本研究課題での動物飼育施設使用ができなかったため、動物実験に必要な経費(動物購入、試料分析、飼料、分析試薬費用等)を残して、次年度の動物実験に使用する。
|