研究課題/領域番号 |
17K00912
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
三原 法子 山形大学, 地域教育文化学部, 講師 (80533687)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | フレイル / 地域在住者 / 咀嚼機能 |
研究実績の概要 |
フレイルの遅延のための口腔の嚥下機能や栄養状態を維持させるための方法を確立することを目的とし、地域在住者の40代100名、50代100名、60歳以上100名の計300名を対象に、口腔と嚥下機能および栄養状態等の身体的特徴と食事の嗜好を調査し、実態を明らかにする事とした。 研究開始の初年度は、県や市町村、山形県歯科医師会、山形県栄養士会、山形県言語聴覚士会への協力依頼と受諾を得た。 しかし、被験者獲得のための方法を模索するが、うまくいかず、被験者は0名という結果であった。地域を限定し、その地域の施設長や介護福祉士等に協力をしてもらい、町内会長や町民に説明したが、1名でも反対者がいると介入できない現状であった。また、測定項目が多すぎることも、時間がかかりすぎるという理由から嫌がられた結果となった。来年度に向けて、知り合いが開催している高齢者の会等に話を持っていき、その参加者を被験者とする方針で進め、2件(被験者40名)の承諾を得ている。
一方、平成28年度に病院・介護福祉施設様に提案した「栄養や嚥下・咀嚼機能を加味した学会分類に基づいた適切な嚥下食選択表」の検証を行った。回復期リハビリテーション病棟に入院している75歳以上の要介護高齢者30名を対象とした。その結果、実測した嚥下食の物性値から判定した食事コードと提案の表から決定された食事コードとの合致率は、86.4%と高い確率であった。これらからの事から、我々が提案した「嚥下食選択表」は適切な嚥下食を提供できることが示唆された。今後、山形県栄養士会等をとおして、病院・介護福祉施設に発信していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
地域在住者の同意を得るための方法論を模索したが協力者は0名であった。それは、地域在住者の場合、町内会長の許可が取れたとしても、町内民のうち1名でも反対者がいると実行できない。または、町内民全員が協力するといったとしても、町内会長が許可を出さなければ、 実行できない現状にあることが明らかとなったからである。さらに、調査項目が多すぎるために飽きられるようである。市の健診センターによると、骨密度の様に、来てすぐに測定でき、30分以内に帰れる等の簡単さがないと、住民は協力してくれないことが判明した。ここに、地域在住者のデータを集積する難しさがあると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、地域在住者の被験者獲得のために、知り合いが開催している高齢者の会やNPOで、1日、高齢者と食事や輪投げ等の活動を行い、信頼を得ることから始める。この方法で、1件(20名の)の団体からの協力が得られ、介入日の決定を待つ段階にある。さらに、市の健診センターの協力の元、測定日が決定している。市報で呼びかけを行い、ポスター等を住民が集まる場所に置かせてもらう等を行い、事前受付をする。介入当日は、事前受付完了の方を中心に測定する。しかし、飛び入り参加もできるように準備する。もし、事前受付者がいない場合は、健診センターの職員を対象として、40歳、50歳のデータ集積を行う。 その他、共同開発で信頼獲得している町2件に依頼し、回答待ちである。 以上の様に、信頼獲得してからでないと、協力が得られないため、様々な会に参加し信頼獲得をえる予定である。
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