研究課題/領域番号 |
17K00912
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
三原 法子 山形大学, 地域教育文化学部, 講師 (80533687)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | フレイル / 地域在住者 / 咀嚼機能 |
研究実績の概要 |
【目的】高齢化が進むに伴って、フレイルの増加が問題視されている。フレイルの遅延には、40歳からの口腔の嚥下機能や栄養状態を維持させるための方法を確立する必要がある。そこで本研究では、地域在住者の40以上の地域在住者を対象に、「フレイル・嚥下機能低下予防のためのフローチャート」の確立を目的とし、口腔の嚥下機能および栄養状態の実態調査をおこなった。 【方法】対象者は、研究の同意が得られた山形県内地域在住者の40~59歳(49.92±5.37歳、男性2名、女性10名)12名、60~74歳(67.86±3.49歳、男性18名、女性40名)58名、75歳以上(83.74±6.07歳、男性17名、女性45名)62名の計132名であった。 【結果・考察】フレイルと判定された対象者は60歳以上で認められた。舌圧,OD,握力,CC,FFM,BI,FIM,MMSEのいずれにおいても75歳以上で機能低下が大きかった。栄養状態等に比べて口腔機能は、60歳以上の低下が大きかった。咬合支持域の欠損が有る者は、60歳以上で認められ、60~74歳と75歳以上どちらの年代でも14%前後の割合を占めた。咬合支持域の欠損と舌圧やODとの関係は75歳以上で顕著であった。握力、BI、FIM、MMSEは、60~74歳、75歳以上の双方の年代で、咬合支持域の欠損の有無による違いは認められなかったが、CCとFFMは咬合支持域の欠損が生じると低下傾向を示し、75歳以上で有意に低下した。舌圧・ODと義歯の種類および衛生状態の比較では、いずれも口腔内を清潔に保ち、天然歯の残存が多いほど舌圧とODの発音回数が維持されていた。舌圧とODは衛生状態、握力、MMSEと弱い正の相関を示した。今回は、咬合支持域の欠損のある割合が少なかったため、今後は対象数を増やして検討していきたいと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
全体的に、対象者数確保が難しかった。地域在住者は、自分は健康だと思っているため、同意を得るのに時間を要した。特に、40~59歳は、男性2名、女性10名の計12名しか同意が得られず困難を極めた。 また、咬合支持域の欠損がある者は60歳以上で認められ、60~74歳、75歳以上のいずれの年代でも14%前後であったため、咬合支持域の欠損のある割合が少なすぎて、どのような栄養状態、嚥下機能・口腔機能であったかの傾向がつかめなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、咬合支持域の欠損のある者を対象者とした、研究が必要である。 また、今までの結果のフレイル予防のためのフローチャートを作成し、地域在住者の集いの場や歯科医師会・歯科衛生士会、言語聴覚士会、栄養士会等に広める必要がある。 さらには、それを論文化し世に広める必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究を2020年度、繰越しとした。その理由は、今年度までに、結果を論文化していないために、来年度、論文を5本投稿予定としているため、投稿費等に充てる。
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